02/05/2014
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AFC CHAMPIONS LEAGUE
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WSW VS 川崎フロンターレ 1-0 |
MF中村、FW大久保、MFレナトといった主力メンバーを温存し試合に臨んだ川崎フロンターレ。DF稲本とMF小野との対決を楽しみに集まった日本人が見守る中、試合開始のホイッスルが鳴り響く。少々混乱した立ち上がりの印象を受けた川崎に対し、WSWはディフェンスを固めつつ積極的なカウンターの展開を見せる。まず前半3分。右サイドで起用されたFWアピアクビにくさびのボールが入ると、DFを交わし、早いパスがFWユーリックへと通る。ユーリックからのシュート気味のパスを、左サイドのFWハリティが走りこんで詰めていきなり先制点を奪う快挙を成し遂げる。1点を追いかける展開で進む川崎だったが、WSWの評価の高いディフェンスを思うように崩せず前半が終わる。後半からはついにMF中村を投入。46分には早速ミドルシュートを放ち反撃の狼煙を上げる。続いて風間監督は67分に大久保も投入し、さらに得点を狙いに行く。WSWはMF小野にボールを集める。ボールに絡む回数はそう多くはなかったが、小野を基点にいい形を多く生み出した。終盤に猛攻を見せた川崎だったが、結局WSWが一点を守り抜き貴重な勝利を掴んだ。試合後に大久保は「チーム全体が急ぎすぎてミスが多かった。お互いよさがあるチームで、WSWのでかい選手に対してスピードとパスで崩したが、今日は相手の方が上だった」とコメント。中村は「フィジカルの強さは分かっていた。高さのあるディフェンスはある程度攻略し、自分たちのよさは通用するのは分かったが、得点に結びつかなかった。4年前のAリーグから比べると進歩していた。伸二さんとはJでもやったことがあるが、今日は負けていたので、伸二さんとの試合を楽しむ余裕はなかった」と悔しそうな表情を浮かべた。小野も「相手がパスサッカーで来ると分かっていたので、WSWは体を張って最後まで戦い抜くという、このチームのよさを出せた。チームにとって今、結果を出すことが大事だったので勝ててよかった。稲本選手とは試合の前日にも会ったが、この年でチームの中心としてプレーできるというのは嬉しいこと。体が動く限りこれからも頑張りたい」と語った。
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WSW VS PER パース・グローリーFC 3-0 |
連戦の影響から小野温存で迎えたホームの24節。フロンターレ戦を勝ちで終え、このままリーグ終了まで勢いをつけたいWSWにとって望んでいた展開となった。まず19分、MFムーイのFKをクリアしたパースDFのこぼれ玉を、DFポレンツがダイレクトでミドルシュ-ト。無回転に近いボールはゴールバーのわずか上をそれた。26分には、ムーイのパスカットからMFヘルシが相手DFを交わし一気にゴール前までドリブル。そのままミドルシュートを放つもキーパーの好セーブ。こぼれた玉をヘルシがさらに詰めるが、トラップミスによりキーパーがキャッチ。いい形がよく作れていて得点が入る雰囲気がある。そして前半終了間際の42分。細かいステップのドリブルからDFふたりの間を突き、ミドルシュートを放ったのはまたもポレンツ。一度はブロックされるも、浮いたボールを冷静にひざでトラップし、改めて右足でシュート。DFの股を抜けたボールはゴール左すみへと刺さり、ポレンツ自身今リーグ2得点目となる先制点を挙げた。後半に入っても今日のWSWは止まらない。61分に、左サイドからドリブルで上がったブリッジは、詰め寄るDFをフェイントで揺さぶりながら、隙をついて冷静に右足でシュートを放つ。これがゴール右隅へと吸い込まれ2点目を奪った。DFスピラノビッチに替わり、ここで小野がピッチへと入り、試合を決定付けることになる。78分、小野が3人のDFをひきつけながら放った鮮やかなスルーパスを受けたヘルシが、それを冷静にFWユ-リックにパス。これをワントラップして右足でゴール右上へと沈める。終始どこかリラックスして試合を運んだWSWは、きっちりスランプから脱出し、小野も「タフなスケジュールの中で勝ったというのは大きかった」と評価。一方で、ブリスベン・ロアーが現時点でリーグトップ、プレミアズプレートを獲得したことについて、とても残念であると話すも、「ファイナルで去年の借りをしっかり返したい。優勝して終りたい」と意気込みを見せた。
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CCM セントラルコースト・マリナーズ VS JWSW 2-1 |
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WSW VS BRI ブリスベン・ロアー 1-1 |
首位独走中ですでにリーグ1位通過を決めたロアーをホームへ迎えるWSW。2位から6位まで、ポイントが競っているため、ここでの黒星は絶対許されない。1万5573人が駆けつけたこの日は、小野にとってリーグでは最後となるホーム戦。スタジアムの入り口では小野のお面が限定5000人に手渡され、WSWらしい振る舞いがなされた。小野はこの日もちろんスタメンで登場。試合前から小野コールが鳴り響き、ホイッスルが吹かれると同時に大弾幕が掲げられた。「ありがとう」の文字にぐっと熱いものがこみ上げる。試合開始8分、小野のコーナーにDFトーポースタンリーが打点の高い頭で合わせる。ボールは上へそれたが息のあったセットプレーが鮮やかだ。21分には、試合中にも関わらず、小野の背番号にちなんで、盛大に花火が上がり、観客席は小野のお面と紙吹雪で埋まり、小野がいかにクラブにとって大切なプレーヤーであったかを物語った。しかし34分、DFスピラノビッチが相手のクロスボールをクリアすると、ロアーFWぺトラトスが拾い、すかさずシュート。トーポースタンリーに当たってリフレクトしたボールがロアーMFミラーへと渡り、これを左足で冷静に決められ、先制点を奪われる。60分、MFムーイからのクロスをFWブリッジがディフェンスを抱えながら受け、後ろに走りこんだFWユーリックへとバックパス。これをユーリックが右足で右隅へとゴールを決め、同点に追いついた。73分にも小野のドリブルからFWアピアクビへとスルーパス。このリータンを小野がゴールエリアギリギリでもらい、ディフェンスを引きつけたところでフリーになったユーリックへとパス。これをダイレクトで右であわせるが大きくそれてしまった。88分にも果敢にゴールを狙う小野。得点こそなかったが、今日の試合はチームがひとつとなり、小野を中心に展開された気持ちの伝わるゲームとなった。89分に大歓声の中、ピッチを降りた小野。試合終了後には日本語で「さようなら、どうもありがとうございました、小野伸二」という文字が電光掲示板へ映し出された。温かい雰囲気の中1-1で試合を終えたWSWは2位をキープした。試合後の記者会見でポポビッチ監督は、「(小野が)オンフィールド、オフフィールドでクラブにもたらしたものは大きかった」「ピッチではクオリティ、気品、クリエイティビティを見せてくれた」「プロフェッショナルで、ひたむきな選手」と小野を絶賛した。一方、いつもと変わらぬ気持ちで最終ホーム戦を迎えたという小野は「ゴールを取って終りたいと思っていたが、それができず残念」とするも、「2位になるために、最後の試合で勝たないといけないので、それに向けて準備をしたい」と意気込んだ。
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MEL メルボルン・ハーツ VS WSW 2-3 |
オーストラリアが生んだ史上最高のサッカー選手、ハリー・キューエルが、この日サッカー人生最後の試合に臨んだ。シドニー西部・スミスフィールドで生まれサッカーと出会い、リーズ・ユナイテッド(英)、リバプール(英)、ガラタサライ(トルコ)、アル・ガラファ(カタール)と、世界の名門サッカークラブを渡り歩いたキューエルは、その後メルボルン・ビクトリー、メルボルン・ハーツへと活躍の舞台を国内に移した。ケガに悩まされた選手だったが、そのワールドクラスのプレーでサッカールーとしても活躍を見せたのは記憶に新しい。そんな試合にWSWは誠意を尽くし、ベストメンバーで臨み、白熱するシーソーゲームを展開した。まず先取点を挙げたのはWSW。26分にフリーキックのチャンスを得たWSWのキッカーはMF小野。弧を描きながらゴール前へと飛んだボールに、この日キャプテンを任されたDFトーポースタンリーが頭で合わせる。これがゴール左角に刺さり先制点を挙げた。しかし、その後34分、ハーツFWキューエルからのパスを受けたMFエンゲラーが無回転のライナーシュートを放つと、DFの脇を抜けそのままゴールへと突き刺さり再び振り出しへ戻る。白熱した試合でイエローカードの応酬となってきた両チームが迎えた後半。PA内でファールをもらったMFポリヤックがPKをもぎ取り、キッカーはまたも小野。しかしこれをクロスバーの上に外すという小野には珍しいミスを犯す。その直後、カウンターのボールを右トップで受けたハーツMFホフマンがDFをかわし、左足でミドルを放つ。ブロックに入ったDFスピラノビッチでリフレクトしたボールは無情にもゴールへと吸い込まれ逆転を許してしまう。アウェイ戦でも80分のお決まりごと、後ろ向きの応援“ポンゾ”は忘れないRBB。RBB全員が試合に背を向いて肩を組み、縦ゆれをしている中、右サイドから突破したDFポレンツからのクロスを、途中出場したFWサンタラブがジャンピングボレーで合わせ、またも同点へと追いつく。そして85分には、ヘルシが相手ゴール付近でDFからボールを奪うとそのまま右足でシュートを放つ。DFとキーパーの間を抜け、左角へ突き刺さり、逆転に成功する。試合は最後までカードが連発していたが無事WSWが逆転勝利をもぎ取り、リーグ2位で決勝トーナメントへと駒を進めた。
チケット購入先はこちら:www.a-league.com.au/tickets
ウエスタンシドニー・ワンダラーズで2年間活躍し、レジェンドの名を残して、オーストラリアを去った小野伸二選手が、次のステージに選んだ札幌の地に足を踏み入れた。
14日のサンフレッチェ戦を見事勝利で飾り、オーストラリアでは初の快挙となるACL準々決勝へと駒を進めたWSW。最高のプレゼントをチームに残して日本帰国をすることとなった小野は、6月半ばから新天地コンサドーレ札幌に合流する。小野のラストゲームを御覧ください。
AFCチャンピオンズリーグと平行して過酷なスケジュールをこなしてきたリーグ戦終盤ではあったが、蓋を開けてみれば2位通過でファイナルシリーズに駒を進めることができたWSW。しかしファイナルシリーズを迎える前に4月15日のAFCアウェイ戦、22日のAFCホーム戦の試合が残っているため余談を許さない状況が続く。そしてAFCホーム戦の3日後から、いよいよファイナルシリーズへと突入。小野のプレーをオーストラリアで見ることができるのも、残すところAFCを含めてあと3試合のみとなった。小野が移籍した昨シーズンは、リーグ
AFCチャンピオンズリーグ(以下ACL)が開幕し、未経験の過密スケジュールで乱調気味と言わざるを得なかったWSW。3試合連続での黒星から迎えた、3月12日のACL、貴州人和(中国)とのアウェイ戦を何とか勝利で収めることができ、復活の兆しを見せつつある。今後、小野のプレーを見ることができるのは、3月14日時点でリーグでは24節を含め、残り4試合のみ。このまま2位をキープしてファイナルシリーズに突入することに期待したい。
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