09/01/2020
ノースシドニーで昨年から開発が進められているコーブ・エリア『サブ・ベース・プラティパス』は、第二次世界大戦時、魚雷製造工場や潜水艦基地として使用されていたことを知っていただろうか。
日本海軍の特殊潜航艇によるシドニー港攻撃のさいにも間違いなく活動拠点となり、昨年まで決して立ち入ることのできなかった歴史あるエリアが150年の年月を経て、日本円にして約50億円以上の投資のもと、ウォーターフロントのアーバンパークへ生まれ変わろうとしている。解禁当初は岬のケスタートン・パークからのみアクセスが可能だったが、現在ではキアラ・クローズの高台から入り江までを繋ぐ巨大な階段が登場。ゆくゆくは商業施設ができ、エレベーターが設置されるというから待ち遠しい。
ノースシドニーの街並みとは対照的に、モスマンベイの優雅に揺れる水面を眺めながら階段を下りていくと、潜水艦をテーマにしたプレイグランドの隣にカフェがある。リユースしたコンテナの周りにパラソルを立ててテーブルを置き、コーヒーやワインを楽しむマダムたちの姿がある。
共同オーナーのひとりジェレミーさんはビッグ・デイ・アウトやスプレンダー・イン・ザ・グラスなどのフェスでフードビジネスを手掛け、もうひとりのオーナーであるミネットさんはメアリーズやランズダウンホテルにてマネージャーを務めてきたパーティピープル。そんな彼らが選ぶ食材には共通点がある。まずコーヒー豆は、ニュータウンのロガーヘッドをチョイス。ビールはヤング・ヘンリーズ、ワインはP&Vとニュータウニズムが色濃い。フードはアボカド・オン・トーストやハム&チーズ・クロワッサンなどのカフェフードをオーダーすることが可能。ペイストリーは以前に弊誌でも取り上げたブリックフィールドのものを使用している。またカフェから10メートルのところにBBQ施設があるため、ドリンクのみを当店でオーダーして、持参した食材をBBQで楽しむというアイデアもありだ。
店名の『トーピドーズ』とは魚雷の意。冒頭でも触れたようにその昔、魚雷の製造所として使用されていたことに由来されているようだが、カフェの雰囲気はあまりにもピースフル。ニュータウンやエンモアなど、インナーウェストの文化をかき集めてコンテナに詰め込み、ノースエリアに飛ばしたことを魚雷と重ね合わせてみれば、意外としっくりくるネーミングなのかもしれない。
Torpedoes
Sub Base Platypus, 120 High St., North Sydney
OPEN: 月~木7:30am–3pm, 金~日 7:30am–7pm
多くのカフェ、レストラン、バーで賑わうクロウズネストのメインストリート、ウィロビー・ロード沿いに今年8月、チッピンデールの超人気店『KOI Dessert Bar』の経営陣が手がけるカフェ『MsChief』がオープンした。
SNSで最新情報をゲット!
メールで最新情報をゲット!
メールを登録する