14/12/2009
アッシュフィールドにて1999年に開店したレストランの2号店として、ノースエリアのチャッツウッドで4月に開店したばかりの『新上海』。シドニーに住む日本人読者へ有益なグルメ情報を提供するという使命に燃える隊長が「日系ではまだ紹介されてないでしょ? 見つけてきたのは僕だからね!」と力説する本邦初公開の上海レストランで食べ歩き隊がとことん味わった。
最初にオーダーしたのは、Shallot Pancake ($4.80)。中華風のお好み焼きといった佇まいのパンケーキは、朝食や昼食時にスナック感覚で食されるものだという。日本のお好み焼きや韓国のチヂミと違い、具として使われているのは長ネギのみながら、サクサクとした食感と一緒にネギの素朴な甘みと香りを楽しませてくれる。隊員たちは醤油や黒酢を用いて味わっていたが、上海の人々は何もつけずにそのままの味を楽しむのだという。シンプルながら誰にでも愛されるこの品をぜひ前菜として注文してみてほしい。
上海料理ときたら点心を無視することはできない。様々な種類がある中から食べ歩き隊が選んだのはShanghai Pan Fried Pork Bun($8.80)。熱々の揚げ肉饅頭を前にして、猫舌の隊員たちはじっくりとにらめっこをしていたが、隊長の「冷めたピザと点心ほど残念なものはない!」という掛け声を合図に一斉にほお張る。サクサクの生地から溢れ出る旨みたっぷりのスープというこの醍醐味は何度味わってもやめられない。さらにカリッと揚がった生地がスープを吸い込み、しっとりとした味わいを加える。小ぶりながら8個入りとリーズナブルなお値段で、通常の小龍包に至っては$6.80と激安といえる設定になっている。これは物価が安いことで知られるアッシュフィールドにある中華レストランと変わらない基準。ジャパレス経営隊員は「チャッツウッドのレントはシティ並の高さなはず。それで料理がこの値段というのは本来考えられない」と驚きを隠さない。隊長が"紹介せずにはいられない"といきり立つ理由が見えてきたようだ。オススメ!
Shredded Eel Stir Fried Noodle ($16.80)は日本人が大好きなウナギを麺の上にたっぷりとのせた一品。うどんのようなモチモチとした太麺がほんのり甘くさっぱりと味付けされていて、それに醤油ベースでとろみがかったウナギがからみつく。しかしやはりそこはウナギに人一倍うるさい日本人、なかなかオススメという声は挙がらない。「僕はウナギの調理に関しては、日本が世界で一番だと思うんだよね。悪くないんだけど、それと比べちゃうと厳しいよねぇ」と隊長。皆様にも一度、"海外のウナギ料理とはいかなるものか"を検証してみてほしい。
Sweet and Sour Pork Rib($4.80)は恒例になりはじめている"ソムリエK指定ディッシュ"。今回は、点心やシーフード料理などあっさり目の品が並ぶ中で、赤ワインを活かすという視点でチョイスされた。醤油と砂糖であめ色にコーティングされていて、こってりとした旨みが淡白なポークリブによく合う。また肉の中には軟骨が隠れており、コリコリとした食感がたまらなく心地よい。ソムリエK隊員が"今回も俺の目に狂いはなかった"とばかりにワインと合わせ、ご満悦であったのは言うまでもないが、「この味付けならご飯も進みますね」という声が聞こえるなど、全隊員に好評であった。
最後にして、最高の評価を得たのはCrab Meat and Mince Pork Balls($18.80)。豚肉と蟹の身、蟹味噌を練り合わせた特大の中華風ミートボールである。豚ひき肉の旨みと蟹の豊潤な風味という強い個性を持つ2つの魅力が最高の形で混ざり合っている。肉と海鮮の味わいを喧嘩させずに組み合わせて、さらなる高みへと引け上げる芸当はさすが中華といった腕前だ。大胆な料理ながら、食感はふわふわと実にやわらかく、さらさらとした餡はさっぱりと上品な仕上がり。隊員から「蟹とひき肉を合わせただけではこのやわらかさは作れない」との声が挙がり、食感の秘密をオーナーに聞いてみたが、そこはやはり門外不出とのことであった。小龍包だけではない上海料理の奥深さを見せつけられた隊員たちはこの一品を大絶賛。特に女性隊員たちから「軽い味わいでいくらでも食べられちゃう!」と評価が高く、大人気のオススメ品の誕生となった。
この度のデザートはSesame Dumpling in Sweet Rice Wine Soup ($7.80)。和にも通じる上品な面持ちの甘味である。クコの実が橙の彩りを添えるスープは甘酒を用いたもので、ほどよい酸味を持ち、すっきりと甘い。白玉のような柔らかく、みずみずしい団子からはきめの細かい胡麻の餡がとろりとこぼれ出す。団子はもちろん、スープまですべて飲み干したくなるぐらいに軽やかなこのデザートに隊員たちは大感激。海外リタイア隊員Aは「デザートまでこんなにハイレベルだなんてもう最高! 明日もここ来るわ!」と早速、翌日の予定まで組んでしまうほどの入れ込みよう。男性隊員にも大人気であった中華風胡麻団子は全会一致でオススメに指定された。
隊員からの高い評価とともに、当店がすでに行列のできるお店になっていることをお伝えしておきたい。特にランチに至っては隊長が「1時間待った」というほど込み合っているようなので、開店に合わせて早めに来店していただきたい。"安くて、うまい"を実践しているだけあって人気店であるのは当然のようにも思えるが、アッシュフィールド基準をチャッツウッドに持ち込んで勝負するというのはやはりリスキーである。挑戦的であり、また自信があるからこそできることであろう。隊員からは、「いくら繁盛しているとはいえ、この値段をずっと維持できるのか?」と懸念する声も出ていた。仮定の話ではあるが値上がりする可能性があるとするならば、早めに通いつめておいたほうが得策なのかもしれない。またも我々にシドニーにおける食の可能性を見せつけてくれた隊長は、「僕の親族が"シスコ"に住んでいたんだけど、あそこのチャイナタウンのお店でもここにはかなわないだろうね!」と国際派であることを知らしめながら今宵の集いを締めくくってくれた。
※値段はお取り扱いの店により異なります
「カジュアルな店内で本格派のできたてイタリアンをゆっくり楽しめる」というコンセプトのもと、2002年にドイツで産声を上げた『バピアーノ』。
まるで2本撮りをしたかのように、前回に続きまたまたチャッツウッドに終結した食べ歩き隊一向。今回は2005年にアッシュフィールドで産声を上げたオーストラリア初の餃子専門店シャンハイ・ダンプリングがチャツウッドに登場した情報をキャッチし、日本からのスペシャルゲスト、ミスターを向かえ潜入を試みる。餃子専門店のクオリティはいかに!?
アジア系の飲食店が急増しているチャッツウッドに、マレーシア国内でファイン・ダイニングのレストランを店舗展開しているシェフ・ラサ・サヤン・グループが半年前に上陸した。日本から戻ったばかりでもヤマグチ隊長のアンテナは常に感度良好。早速食べ歩き隊を引き連れてチャッツウッドへと乗り込むことに!
ヤマグチ隊長不在の中、記念すべき200回を迎えてしまったチープイート…。今回は200回記念特別企画として、いままで訪れたレストランの中から印象に強い、安くて旨いベスト3レストランご紹介しよう。
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