27/11/2009
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エリシウム。それはギリシャ神話に登場する、善人が死後に住む至福の地、いわば天国のような場所。そんなヘブンの様な空間を再現する『Elysium(エリシウム)』は、大人の色っぽさが漂うモダン・オーストラリアン・レストラン。11月で1周年を迎えたばかりのニューカマーであるが、シドニーのグルメ誌『Sydney Eats』では既に'$$'カテゴリー(オントレー+メイン=$45以下)でトップに輝いた、今注目のレストランだ。オーナーシェフのマイケルさんはロンドンで10年、そしてメルボルンやケアンズで数年の経験を経た、フレンチとイタリアンをバックグラウンドに持つ若手シェフ。いったいどのような創作料理で我々をあっと驚かせてくれるのだろうか。 |
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Chicken liver and port parfait with toasted brioche and blood orange confit ($15) 口当たりが驚くほど軽いブリオッシュにチキンレバーとポートワインのパテ、そしてオレンジのコンフィをたっぷりと塗っていただこう。通常は濃厚でしつこい味が特徴のチキンレバーも、このマーマレードの様なコンフィといただくからであろうか、妙にあっさりしていて、脳裏に残る美食だ。サックサクのブリオッシュとは対称的に、パテは驚くほどにきめ細やかで、しっとり。これはブレンダーで材料をじっくりと混ぜ合わせ、低温のオーブンでゆっくりと焼くためで、できあがったパテはパーフェクトに近い質感だ。そのためフランス語でパーフェクトを意味する'parfait'を名前に入れたという。シェフが自らの作品を「パーフェクト」と称賛する、開店以来のシグネチャーディッシュ、オススメであることは言うまでもない。 |
Fish fillet with crushed potato, prawn and pancetta, asparagus and red wine sauce ($27) Elysiumのこだわりは、その日仕入れられた旬の魚だけを調理すること。まずはウェイトレスに“今日の魚”を聞いてみよう。ちなみに我々が訪れた水曜日はサーモン、オーシャントラウト、キングフィッシュ、そしてタラが入荷されていた。シェフ自らのお勧めはキングフィッシュを使用したこちら。絶妙な火加減で仕上げられたキングフィッシュは皮がパリッとしている反面、身は半生で思いっきり柔らかく、舌の上でとろけるように崩れ落ちる。天然の甘みを最大限に生かすため、味付けは微量な塩のみ使用。「これは素晴らしい味だ! 正直オーストラリアのシェフがこれほど上手に魚を調理できるとは驚きだ」とヤマグチ隊長も大興奮。魚の塩加減、火加減と、ともに洗練された技術だが、バターやベーコン、赤ワインで和えられたホックホクのポテトとエビのソースも非の打ちどころがない。まさに驚きの連続! 一滴もソースを残さないようにパンできれ~に皿を拭きとるY隊員の姿があったが、その気持ちも分からなくない。そして毎回の食べ歩きで口癖の様に「オーストラリアのレストランは食材に火を通しすぎだ」と主張してきた我がヤマグチ隊長も、その考えが変わったのではないか。隊員一同の心をグッとつかんだ魚料理、もちろんオススメだ。 |
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Half a roast tinder creek duck a l'orange, Australian lentils and broad beans ($27) フレンチの定番、カモのロースト・オレンジソースからヒントを得たと思われるディッシュ。力を一切いれずにすっとナイフが通る柔らかさは、ダック好きの隊長すら初体験で、皮はパリパリと香ばしく、切り口はしっとりとジューシー。噛めば噛むほど、滋味深い野生のうまさが堪能できるダックに隊長も大満足。オレンジジュースをたっぷりと使ったソースは甘みと酸味が絶妙に絡み合い、味をさらに引き立て、またお皿にぎっしりと敷き詰められたレンズ豆のホクホクとした栗のような食感もクリスピーなダックと対照的で楽しい。隊長の心を百発百中打ったダックがオススメであることはもうお分かりであろう。 |
Dark Chocolate Marquise with rum and raisin ice cream and Muscat syrup ($9) Elysiumのシグネチャーデザート。マイケルさんいわく、マルキーズ'とはムースをスポンジで包み上げたフランスの定番デザートだが、こってりで濃厚な甘みを嫌う彼が試行錯誤を重ねて完成させたのがこちらのマルキーズ。ムースとは思えない口当たりの軽さ、上質のダークチョコレートが作り出す控えめの甘さ、そしてしっかりと染み渡ったラム酒のコラボレーションはまさに究極。ひんやりとしたレーズン味のアイスクリームといただけば、天国へいった気分に浸れるだろう。 もちろんオススメだ。 |
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Lightly fried blue cheese filled zucchini flowers ($16) 近年、オーストラリアでちょっとしたトレンドになりつつあるズッキーニ・フラワー。濃厚なブルーチーズがぎっしりと詰められ、高温でサックサクに揚げられたズッキーニ・フラワーのフリッター。ナイフを入れると中からトロ~リと、クリーミーなチーズが溢れ出し、その独特な香りが鼻をくすぐる。ブルーチーズだけあってかなりクセはあるが、盛り合わせのビートルート(赤カブ)のサラダといただけば、そのさっぱりとしたビネガーの酸味が一切の臭みを消し去ってくれる。また、真っ白なプレートの上で円を描く鮮やかなビートルート・ソースに絡めていただけば、天然の甘みがアクセントを加え、一味違った味が楽しめるだろう。 |
Grilled grain-fed sirloin steak with roast garlic potato puree, sauteed spinach and whole grain mustard butter ($28) 次に開店以来の人気ディッシュを紹。オーダーする際に「レア」と注文することをお勧めする。歩く胃袋集団の長き食べ歩き経験から言えることだが、オーストラリア人が言う「レア、ミディアムレア、ウェルダン」の基準は我々の感覚とはかなりの違いがある。これにはフランス出身のP隊員、そしてドイツ出身のC隊員も同意。QLD産の穀物飼育サーロイン、220グラムにナイフを入れるとジュワ~っと旨味の詰まった肉汁がしたたり、その極上の柔らかさに言葉を失ってしまう。フレンチからの影響がうかがえる粒マスタードバターやガーリックの風味が良く効いたマッシュポテト、そして赤ワインベースのソースとも絶妙にマッチ。じっくりと味を噛み締める隊長からはほっこりと笑みがこぼれ、ワインもついつい進んでしまうようだ。他では味わえない格段の差。是非とも試していただきたい |
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どの料理にも大満足を感じたシドニー食べ歩き隊。デートやバースデー、ちょっとしたスペシャル・オケージョンには是非とも招待したい、そんな隠れ家的スポットを新たに発見した。2007年度・チープイート・グレイトテイストの幕を閉じるのには相応しいElysiumに皆さんも足を運んでみよう。 | ![]() |
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「カジュアルな店内で本格派のできたてイタリアンをゆっくり楽しめる」というコンセプトのもと、2002年にドイツで産声を上げた『バピアーノ』。
まるで2本撮りをしたかのように、前回に続きまたまたチャッツウッドに終結した食べ歩き隊一向。今回は2005年にアッシュフィールドで産声を上げたオーストラリア初の餃子専門店シャンハイ・ダンプリングがチャツウッドに登場した情報をキャッチし、日本からのスペシャルゲスト、ミスターを向かえ潜入を試みる。餃子専門店のクオリティはいかに!?
アジア系の飲食店が急増しているチャッツウッドに、マレーシア国内でファイン・ダイニングのレストランを店舗展開しているシェフ・ラサ・サヤン・グループが半年前に上陸した。日本から戻ったばかりでもヤマグチ隊長のアンテナは常に感度良好。早速食べ歩き隊を引き連れてチャッツウッドへと乗り込むことに!
ヤマグチ隊長不在の中、記念すべき200回を迎えてしまったチープイート…。今回は200回記念特別企画として、いままで訪れたレストランの中から印象に強い、安くて旨いベスト3レストランご紹介しよう。
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