20/05/2011
『Hurricane's Grill & Bar』はボンダイにオープンして15年。大繁盛の人気店としてローカルのオージーからアジア系の層まで、多くの人々を魅了してきた。食通を自称する食べ歩き隊としては、“今さら”という言葉が邪魔をしてしまい、気後れしていたのだが、やはり気になるものは気になる。その評判の味がどれほどのものなのか、満を持してご賞味させていただくこととなった。
甘辛ソースで香ばしく焼き上げられた表面が、やわらかい身を包みこむ。この皮の部分が複雑な旨みを醸し出すことで、淡白な鶏肉に豊かな味わいを加え、また、ほどよい辛みは心地よく食欲を刺激してくる。この辛みはアフリカン・デビルという唐辛子で作られるピリピリ・ソース(Piri-Piri Sauce)によるもの。ポルトガル料理で一般的に使用されるソースなのだが、名称のピリピリとは辛さを表現する言葉で、同じ用法である日本語の“ピリピリ"の語源だという説もある。歴史を感じさせる秘伝の味付けは、ヤマグチ隊長を「甘辛料理を作らせたらポルトガルにはかなわんよぉ」と唸らせるほどに絶妙であった。
当店では最小となる200グラムのステーキだが、日本人の感覚では十分に大きく、また肉厚だ。「牛肉は固くなったら、もうおしま~い」という隊長の発言に他の隊員も同意し、レアでいただくことに。奇麗に焼き目のついたステーキへナイフを入れると、レッドワイン色の肉汁がたっぷりと滴る。サーロイン特有の柔らかさを味わうほどに、レアでの調理が正解であったことを実感する。ペッパーやマッシュルームなど、4種類のステーキソースも用意されるが、薄味でさっぱりとした下味だけで味わうほうがむしろ日本人の口には合うように思う。4種類のソースを持て余した隊員たちは、チップスにつけてそれらを楽しんでいた。この極上サーロインは、隊長の「やっぱり牛肉はタタキにかぎるね!」という言葉と共にオススメ入り。メニューには、実に1キロという巨大なステーキも存在するので、大の肉好きを自認する方は一度挑戦してみてほしい。
野菜のフルコースといった佇まいのベジタブル・プラッターは、温野菜、ギリシャ風のサラダ、ハロウミチーズが一堂に会したボリューム満点の組み合わせ。コーン、ブロッコリー、サヤエンドウは塩茹でやさしい味わい。サラダはフェタチーズのコクとともにシャキシャキとしたフレッシュな野菜の素材を楽しませる。キプロス原産のハロウミチーズは溶けにくく、高温でグリルできてしまうところが特徴。白い表面をきつね色に変え、クセのない旨みを醸し出す。「焼いて食べるチーズも乙なもんだよねぇ」などと言いながら、いつのまにかたっぷりと野菜を摂取していた隊員たちであった。
その日に作った出来立てのホームメード・ハンバーグを提供するという、こだわりのバーガーだ。300グラムという厚く大きなハンバーグは、ジューシーな旨みを大放出。まるでステーキのように肉汁が溢れ出てくる。その秘訣はハンバーグなのに、なんとミディアムで焼かれていること。当店では、ステーキと同様にハンバーグもウェルダンからレアまで焼き方を指定することができるのだ。隊長も「このうまさは、素材の新鮮さとビーフ100%という妥協なき姿勢があってこそのものだよぉ」とすぐさまオススメに指定。ビーフバーガーにベーコンとチーズを加えた、Cheese & Bacon Burger($21)もお試しあれ。
その大きさと迫力に圧倒され気味の隊員たちであったが、当店スタッフの指南どおりに各々、手づかみで豪快に頬張る。あばら肉特有の濃厚な旨みに、ほどよい脂身がなめらかさを加えていて、そのとろけるような美味しさは、ここに来てまた一気にテンションを上げてくる。まるで蟹を食べる人々のように、一同無言でムシャムシャと食べ続けると、大きなリブはすぐに平らげられてしまった。肉の深い旨みと甘くなりすぎない絶妙な味付けが相まって、一見シンプルな料理だが飽きることがない。隊長が「もう一度食べに来たいと思わせるスペアリブに初めて出会ったよぉ」と語ったように、隊員たちに本日一番のインパクトを与えたこのポークリブは、晴れてイチオシの殿堂入りを果たした。
トップ・レストランとしてのレベルの高さをこれでもかと見せつけてくれた当店。添い付けの品などにもしっかりとした素材を用い、料理の細部にまでこだわり、また、スタッフは笑顔と親切な対応で最高のサービスを提供する。食事は料理だけではなく、お店の雰囲気、接客なども含め、トータルで味わうものだということを改めて感じさせられた。ワンランク上のお食事を楽しみたいというときには、当店がきっと満足度の高い時間を与えてくれるはずだ。いつでも気軽に訪れたいという場合には、隣接するテイクアウェイショップ、“Hurricane's Express"を利用してみてほしい。
「カジュアルな店内で本格派のできたてイタリアンをゆっくり楽しめる」というコンセプトのもと、2002年にドイツで産声を上げた『バピアーノ』。
まるで2本撮りをしたかのように、前回に続きまたまたチャッツウッドに終結した食べ歩き隊一向。今回は2005年にアッシュフィールドで産声を上げたオーストラリア初の餃子専門店シャンハイ・ダンプリングがチャツウッドに登場した情報をキャッチし、日本からのスペシャルゲスト、ミスターを向かえ潜入を試みる。餃子専門店のクオリティはいかに!?
アジア系の飲食店が急増しているチャッツウッドに、マレーシア国内でファイン・ダイニングのレストランを店舗展開しているシェフ・ラサ・サヤン・グループが半年前に上陸した。日本から戻ったばかりでもヤマグチ隊長のアンテナは常に感度良好。早速食べ歩き隊を引き連れてチャッツウッドへと乗り込むことに!
ヤマグチ隊長不在の中、記念すべき200回を迎えてしまったチープイート…。今回は200回記念特別企画として、いままで訪れたレストランの中から印象に強い、安くて旨いベスト3レストランご紹介しよう。
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