オーストラリア・シドニーを楽しむための生活情報誌「チアーズ」
グルメ情報

Cheap Eats Great Taste


幻の麺“ミーカレット”に出会う Pinangsia Noodle House Indonesian Restaurant

24/05/2011

このエントリーをはてなブックマークに追加

学生の町、キングスフォード。NSW大学のすぐ近く、アジア系の手頃な値段のレストランがのれんを並べるアンザックパレード沿いで、ひときわリーズナブルな金額で料理を提供しているお店がある。一番高いもので11ドルと、破格の値段設定で、テーブルに並ぶ品々はどれも本格派のインドネシアン料理。さらにもうひとつ、そのお店ではインドネシア・ペナンシア発祥の幻の麺〝ミーカレット〟が食べられるらしい。そんな噂を聞きつけ、麺食い代表、我らが山口隊長率いる食いしん坊たべ歩き隊が早速調査に向うこととなった。果たしてその真意はいかに。
キングスフォードのアンザックパレード沿いは、夕方になるにしたがって辺りからはいい匂いが漂い、まるで東南アジアへやって来たかのような、賑やかな通りへと変貌を遂げる。道路で遊ぶ子供、ちょっと酔っ払ったおじちゃんたちや学生、ヘンテコな日本語の食料品店、野良犬(笑)。目を閉じれば4人くらい乗った原付バイクが道路を走っているような、どこか田舎の商店街を思わせるほど、懐かしく温かみのある光景が垣間見える。そしてそのイメージを裏切ることなく、昔から値段を上げない大衆向けのレストランがちらほらと残っているのだ。『Pinangsia Noodle House(ペナンシア・ヌードル・ハウス)』は、そんなありがたい大衆レストランのひとつ。いや、客層から見れば学食という言葉がよりしっくりとくるだろう。

Fried Meat Ball($1.50 ひとつ)

まず初めに登場したFried Meat Ball($1.50 ひとつ)。早速インドネシアン・マジックで隊員たちをお出迎え。“ミート”と書いてあるが、その風味はどれだけお鼻のお穴を広げて嗅いでも魚の香りに酷似する。サクサクした表面を破ると…やっぱり魚の風味が強く、油の風味とのコンビネーションがインドネシアっぽさを演出する。食感はと言えば…うんうん、魚の練りもの…って普通にフィッシュボールやんけ! と突っ込みを入れた隊員たちであったが、実は日本ではあまり発想しない魚と肉のコンビネーションの練りものとのことだった。揚げもの料理であるものの、なぜか決して重たくない。ビールにとってもよく合う〝とりあえず〟で頼みたくなるような一品だ。

 

Sate Ayam (3本:$5.50/5本:$9)

お次に登場したのはSate Ayam (3本:$5.50/5本:$9)。〝サテ〟は串焼きで〝アヤム〟が鶏肉。食通の読者ならこのくらいはそろそろ常識になってきた頃だろう。香ばしく焼き上げられた柔らかい鶏肉に、インドネシア特有の甘くこってり濃厚なピーナッツソースがかかっており、その甘さと、ジューシーさを内側にぎゅっと閉じ込めた鶏肉との相性が抜群によい。降りかけられたフライドオニオンのクリスピーな食感が一段と食欲をそそる。お好みでレモンをよく絞って食べてみてほしい。こっそり下に敷き詰められたロントン(もち米)は、葉っぱにくるむ、ちまきのような食べ物で、日本同様にインドネシアでもお祝い事の際に登場するらしい。そのままでは味がしないので、こちらもピーナッツソースとともに頂こう。

Nasi Goreng Kombinasi ($8.50)

インドネシア特有のほんのり甘い醤油、ケチャップマニスのまろやかな風味漂うNasi Goreng Kombinasi ($8.50)。BBQポーク、ミートボール、フィッシュボールなどがふんだんに入っているコンビネーション・ナシゴレンには、サルバンソース、ニンニクやチリの風味がほどよく効き、お約束の半熟卵もちゃんと乗っている。どこにでもあるナシゴレンだからこそ、他店と味の比較をされやすく、シビアに味を要求されるのだが、当店のナシゴレンは、現地のワルン(露店)で食べる庶民派のそれに程近い味わいで文句のつけようがない、米好きには鉄板のメニュー。備え付けのトマトときゅうりは口をリフレッシュする役割がある、と勝手に解釈をしている我らが食べ歩き隊。

Bakmi Ayam“Pinangsia” Mie Karet($7.50)

シグニチャーディッシュ、Bakmi Ayam“Pinangsia” Mie Karet($7.50)がいよいよテーブルに運ばれた。冒頭でも触れた通り、バリ島はジャカルタの近くの町、ペナンシア発祥の有名な麺、MIE KARET(ミーカレット)がついに目の前に登場した。フクロダケ、ねぎ、もやし、鶏肉とともに盛り付けられ、備え付けのスープにつけて食べるといった釜あげスタイルで、麺の食感を楽しむ一品となっている。ペナンシア出身のシェフが丹精に手打ちした麺の印象は、腰のあるエッグヌードルに近い味わいと食感と喉越しで、実に歯ごたえがよく、スープなしでも十分にその美味しさが楽しめる。そしてあっさりと澄んだ鶏がらスープと絡めると、また一段と旨味を増す。日本人であれば是非冷やし中華でも試してみたい。ここでドクターMが口を開く。「細胞膜をしっかり壊してやらないとこの腰が出ないんですよ。つまり、グルテンやでんぷんの成分が外に出てはじめて粘りがでるわけです。だから製麺する時には、細胞膜を壊すためにばんばん叩くわけです。それと温度調節も重要。グルテンが一番発揮する温度というのがあって、一定に保っておかないとこの食感は生まれません。しかし中国の元で産声をあげた麺が、いつの日かインドネシアにたどり着き、エッグヌードルとなって美味しく進化を遂げた。これはロマンがありますよ」。たった$7.50の料理の中に壮大な歴史と確かな旨さを感じられる。正直言ってこの値段でこのクオリティ、満足度はあり得ません。

Gado-Gado($8.00)

隊員一同、もうかなりお腹がぽっこり。あとはデザートを待つばかりかとのんびりしている所に、インドネシアからの刺客Gado-Gado($8.00)が現れる。店員オススメのサラダで、本日どうしても食べてほしかったとのことで、さっそくデザート用に残していた別腹スペースを提供することにした。石臼でゴマやピーナッツ、パームシュガー、ケチャップマニス、香辛料などを擦り、蒸した野菜に絡めて仕上げたインドネシア風サラダ。オーダーが入ってから擂り始めるため、その風味が実に新鮮で香ばしい。〝寄せ集め〟〝ごちゃ混ぜ〟と言った意味があるこの料理の名の通り、さやいんげん、ズッキーニ、トマト、ほうれん草、ブロッコリーなどの、みずみずしい温野菜がふんだんに使用されており、実にヘルシーな仕上がりになっている。野菜の摂取を忘れがちなインドネシア料理には重宝される一品。

Martabak Bangka($6.00)

別腹の隣に位置する第2別腹のスペースを埋めるべく、締めくくりに登場したのは、トラディショナルなインドネシアのパンケーキMartabak Bangka($6.00)。ピーナッツ、チョコレートをどら焼きのような皮で包んでいるが、今回はチーズ入りをチョイスしてみた。こってりとしたチーズの塩分でより甘さが引き立つ。〝バンカ〟とはインドネシアのある島の名で、オーナー両親の故郷。お父さんのレシピを忠実に再現したインドネシアのどら焼きはどこか懐かしく、女性隊員にも好評だった。

味と値段、そしてお客様への感謝の気持ちで勝負している当店には、必要以上のへつらいは無縁。それゆえに内装にはお金をかけておらず、接客も実に家庭的。そのお陰からか余計に旨さ、安さの長所が引き立って感じられた。きっと読者の中にもシドニー界隈のレストランの高級志向に飽き飽きしている方も少なくはないのであろう。いつ行っても暖かく迎えてくれる、身も心もお財布もリラックスできて楽しめるPinangsia Noodle Houseを、読者の方にも是非一度訪れてみて欲しい。

 

ソムリエK隊長のワイン談義

W! wine Chardonnay Veneto ($13.99) Italia
非常にスタイリッシュなワインボトルが目を引くイタリア産のシャルドネ。食前酒に適していて、とてもフルーティで飲みやすく、女性向けです。
Rolling Shiraz 2008 ($17.99) Central Ranges
実に色鮮やかなライトシラーズは飲み口がとってもまろやか。甘めのサテとも相性が良いでしょう。
Jamiesons Run Cabernet Shiraz Merlot 2009 Limestone Coast ($9.99)
SAのライムストーンコーストはクナワラの南で、美味しい赤を生み続けている。今回のスムースなブレンド物は、懐にも優しいコストパフォーマンスがとても良いですね。 非常にスタイリッシュなワインボトルが目を引くイタリア産のシャルドネ。食前酒に適していて、とてもフルーティで飲みやすく、女性向けです。
 
Pinangsia Noodle House
319 Anzac Parade Kingsford
TEL:9697 0788
営業日時:水、金、土、日
アクセス:エリザベスストリートのバス乗り場から、393等マルーブラ方面のバスに乗車
 

 

このエントリーをはてなブックマークに追加

関連記事

「カジュアルな店内で本格派のできたてイタリアンをゆっくり楽しめる」というコンセプトのもと、2002年にドイツで産声を上げた『バピアーノ』。

この記事を詳しく見る

まるで2本撮りをしたかのように、前回に続きまたまたチャッツウッドに終結した食べ歩き隊一向。今回は2005年にアッシュフィールドで産声を上げたオーストラリア初の餃子専門店シャンハイ・ダンプリングがチャツウッドに登場した情報をキャッチし、日本からのスペシャルゲスト、ミスターを向かえ潜入を試みる。餃子専門店のクオリティはいかに!?

この記事を詳しく見る

アジア系の飲食店が急増しているチャッツウッドに、マレーシア国内でファイン・ダイニングのレストランを店舗展開しているシェフ・ラサ・サヤン・グループが半年前に上陸した。日本から戻ったばかりでもヤマグチ隊長のアンテナは常に感度良好。早速食べ歩き隊を引き連れてチャッツウッドへと乗り込むことに!

この記事を詳しく見る

ヤマグチ隊長不在の中、記念すべき200回を迎えてしまったチープイート…。今回は200回記念特別企画として、いままで訪れたレストランの中から印象に強い、安くて旨いベスト3レストランご紹介しよう。

この記事を詳しく見る

CATEGORY

Cheap Eats Great Taste

カジュアルに究極のできたてが楽しめる チャッツウッドに餃子専門店登場! マレーシアの繁盛店がシドニーに上陸! チープイート・グレートテイスト200回記念特別企画 編集部のリアル台所 ベトナム中部の母の味をマリックビルで楽しむ 成長を続けるチャッツウッドにフィリピン料理が登場 チープイートの原点回帰 本場セネガルの味をエンモアで タイ南方料理でヘルシーにお腹を満たそう! エキゾチックなスパイスの香りに包まれて 本場ナポリの情景をレーンコーブで インドネシア的おふくろの味がここに!PINANG BISTRO オリジナルメニューに誇りを持つ香港料理 OLD TOWN HONG KONG CUISINE 本家とはひと味違う新感覚をチャッツウッドで楽しめる Bassim 新感覚なエスニックの味を楽しめるアフガン料理 Bamiyan Afghan Cuisine 自家製パスタの旨みを堪能できる Porcorosso アーターモンで味わう家庭的台湾料理 Taipei Chef Restaurant 薪オーブンで焼き上げるピザに舌鼓 gigi pizzeria アジアンフード激戦区、チャッツウッドで注目! Golden Bo 15周年特別企画、初パブ飯!Glasgow Arms Hotel シティのとっておきの穴場で、東南アジアを感じる Holy Basil 一生通い続けたいイタリアントラットリア Made in Italy グラシャス! アミーゴ・セニョリータ!! Dos Senoritas International College of Management アッシュフィールドのニューカマーShanghai Memory トマトソースが絶品の地中海料理 MARSFIELD restauran 熱々サクサクの海鮮ちぢみが美味しい O Bal Tan "やみつきライス"が自慢のトルコ料理店! Erci さまざまな既成概念を覆す!Albee's Kitchen フラメンコギターの生演奏 El Bulli Spanish Tapas 韓国人街の最繁盛店はベトナム料理!? Saigon Bowl VIETNAMESE RESTAURANT 創造的な和モダン・タパスの世界 BIG STONE Modern Japanese Tapas 四川山椒を心行くまで楽しもう Red Chilli Sichuan Restaurant ボンダイビーチのマイリストランテ GELBISON PIZZERIA RISTORANTE ベリーダンスに誘われて The Cushion House 幻の麺“ミーカレット”に出会う Pinangsia Noodle House Indonesian Restaurant 幻のアンコウを求めて 名家 (ミュンガ) 食の交差点・クローズネストで楽しむヘルシー・ネパール料理  MUSTANG 肉食系はクージーに集まれ Brazilian stlye BBQ Churrasco@Sydney ついに2号店がチャッツウッドに登場! Mamak 幻のホワイトベイトのピザ"NANNATO"に迫る wood fire pizza Fratellis チャイナタウンで発見!進化し続けるモダン台湾料理 TAIWAN 激戦区に佇む穴場レストラン CHILLI CHA CHA 情熱の国で見つけた故郷の味 CAPITAN TORRES モダン・オーストラリアの魅力とは? Piemonte Cafe Restaurant 北方拉麺館 ボンダイで堪能するグリルの魅力 Hurricane's Grill & Bar TAGINE(タジン) エジプト伝統料理 ARISUN-中華と韓流が巡り合った場所 tipico-新イタリア人街・ファイブドックで見つけた名店 Na Zdrowie-ポーランド料理に感じる欧州の旅情 Papaya -モダン・タイで大切なひとときを Chinense Fast Food -激安区域アッシュフェ-ルドで本格上海料理 Cafe Kasturi -やさしさが沁みるマレーシア料理 2007年度 シドニー食べ歩き賞発表 Prasit's -チープな値段とタイの本格的な味 La Locanda -海の帰りに気軽に寄れるおしゃれイタリアン Chu Bay -シティの穴場ベトナム料理 Verde Miho -本場のポルトガル料理を食べるなら Forbes & Burton -スタイリッシュなモダン・オーストラリアン Dong Xanh -カブラマッタのベトナム料理店に挑戦 Galileo Restaurant -5つ星ホテルで贅沢なひと時を Mirac -韓国人がイチオシするうわさの韓国料理店 Moretti -イタリア人の常連客で賑わうイタリアン My Thuan Restaurant -カブラマッタの穴場的レストラン Grape Garden Peking Restaurant -本格的北京料理を堪能できる Kuali Malaysian Restaurant -シドニーで本場マレーシアンを求めるなら Hunter Connection -学生・ワーホリ必見! 激安・激うまフードコート Newtowns Cocina Morern Mexicana Cuisine -若者の間で人気のメキシコ料理店 RIPPA'S -本格ピザ・パスタ専門店 Lebanon and Beyond -母親から受け継いだレバノンの家庭料理 Last Train to Bombay -世界初のインド料理コンセプト Satang Thai -シドニーで本場タイの屋台の体験! La Disfida -ピザの歴史が味わえる ピット・ストリート地下フードコート -激安・激うまフードコート 第2弾! Kingsford Chinese Restaurant -食べてビックリ!! 払ってビックリ!! Tran's -洗練されたモダン・ベトナミーズ Elysium -素材を知り尽くす男が創るモダン・オーストラリアン Rosso Pomodoro -本場イタリアンの味をバルメインで Mamak -マレーシア料理 庶民の味が良心価格で The ttokssam Age -“韓国街”にあるコリアンバーベキュー Red Chilli -ウマ辛! 四川料理が今熱い Bundu Khan -ミステリアスな街Auburnでパキスタン料理 daGianni -家庭的なイタリアンをAnnandale楽しもう! APERITIF -キングスクロスで味わった本格ヨーロッパ料理 CAFFE ROMA -ポッツポイントで見つけた安らぎイタリアン DOMA -ビールで味わうチェコ料理の伝統 Madang -はずれ知らずの王道韓国レストラン DIN TAI FUNG -洗練された場で極上の小龍包 NAPOLI IN BOCCA -イタリアン・ビレッジで見つけた究極のピザ Chat thai -モダンな空間で味わう本場のタイ BUZZZBAR CAFE -休日にカフェでブランチを JINGOGAE -ふるさとの味を伝える韓国家庭料理 Taste of Shanghai -行列のできる上海料理店 in イーストウッド Hunter Connection Food Court -シティの中心地で最安値に挑む PHAMISH -エレガントに味わうベトナム料理 NEW SHANGHAI(新上海) -革命的中華がノースに進出 Bahay Kubo -Lidcombeで知ったフィリピン料理の魅力 SULTAN'S TABLE - Enmoreで味わうトルコ料理の奥深さ KAMMADHENU - ノースでスリランカの味を探る

CATEGORY

グルメ情報

Side 1
Side 2

FOLLOW US

SNSで最新情報をゲット!

NEWSLETTER

メールで最新情報をゲット!

メールを登録する

COUPON

オトクなクーポンをゲット!

全てのクーポンを表示
Suitecase