オーストラリア・シドニーを楽しむための生活情報誌「チアーズ」
グルメ情報

Cheap Eats Great Taste


ベリーダンスに誘われて The Cushion House

21/06/2011

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学生やアーティストが集うことで知られている閑静な住宅街、グリーブ。毎週土曜日に開催されるマーケットは有名だが、あちこちに点在するアートギャラリー、カフェ、レストランなど、センスの良いお店ばかりが立ち並び、町全体がアーティな空気に包まれている。そんなグリーブのメインストリート、グリーブポイントロード沿いに、創業15年を誇る老舗ターキッシュレストランが、昔から変わらぬ人気を集めているという。今回はムード溢れる『The Cushion House』を、我らが食べ歩き隊が調査に向った。
レストランに入る前に、まずはトルコいう国をさっとおさらいしておこう。アジアとヨーロッパ、ふたつの大陸にまたがるように存在し、農業人口が国民の40パーセントを占める農業大国で、13世紀頃、アナトリア半島のトルコ系戦士集団が建国した多民族帝国、オスマン帝国のDNAを引き継ぐ人々が住む国。オスマン帝国は、現在のトルコの都市、イスタンブールを首都とし、西はモロッコ、南北はイエメンからウクライナ、ハンガリー、チェコ、スロバキアに至る広大な領域を600年の間保持していた一大帝国なのだ。 ちなみに2002年日韓ワールドカップ、決勝トーナメントの1回戦で日本を破り、その勢いで3位に登り詰めた国がトルコで、その時ブレイクした代表選手、イルハン・マンスズは今、サッカーを引退し、アイススケートに目覚め、次の2014年に行われるソチ冬季オリンピックで表彰台を狙っているそうだ…。
勢いで冬季オリンピックまでいってしまったのでグリーブに話を戻す。冬の訪れを身にしみて感じるようになった5月末。我々食べ歩き隊は白い息を吐きながら現地に集合し、『The Cushion House』のドアをノックした。ローライトのムード漂う雰囲気の中、華やかに輝くトルコ調照明の美しさ、敷き詰められた色鮮やかな絨毯に言葉を失う一行。さすがオスマン帝国を築き、ヨーロッパを一時代繁栄させてきたDNAを持った民族だ。その美しさ、ゴージャスさに魅了されて、隊員たちのテンションは一気に上がった。絵画のような店内を通り抜け、一同は奥のファンクションルームへと足を運ぶ。そして奥で待っていたイケメン・トルコ青年がさっそくスターターを運んでくれた。

Karisik Meze($16.90)

トルコの伝統的な前菜の盛り合わせ。今までの取材では、比較的前菜にそれほどの感銘を受けることはなかったが、今回はちょっと様子が違った。ガーリック、ヨーグルト、ハーブ刻んだビートルートをペースト状にしたディップ、レモンとバージンオーリーブオイルの風味がほんのり効いたホモス、グリルした茄子にガーリックやヨーグルト、タヒニソースをまぜ潰したものなど、6種類の色鮮やかなディップが登場した。驚くのはその香りの新鮮さ。オーナーのムスタファさんが毎日仕込んだディップを時間をかけて水切りをし、作り上げたもの。素材にこだわり、決して作り置きをしないそのディップは、野菜の旨みを存分に引き出し、風味が豊かに仕上がっている。テイクアウェイでオーダーできないその理由は、持ち帰る間に味が落ちてしまうからだという。スターターからとてもレベルが高く、隊員の期待が高まる。

 

Halomi cheese($12.90)

羊乳と牛乳で作られたチーズ。弾力性があり、焼いてもとろけずにしっかりとした歯ごたえをキープ、程よい塩気がたまらない。チーズは好き嫌いがはっきりとする食材だが、これはチーズの苦手な方でもおいしく食べられそう。

Gozleme($12.90)

グリーブマーケットの屋台で食べたことのある方も、きっと少なくないだろう。トルコでは伝統的なスナックとして庶民に愛されているゴズレム。薄く伸ばした生地に、ほうれん草とフェッタチーズを挟み、焼き上げられたゴズレムにレモンを絞っていただく。パリパリの表面の中で、トロリとしたフェッタとほうれん草がよく合い、レモンとの相性が抜群だ。後味さっぱりだがとてもクセになる味わい。

Izgara Kofte ($21.90)

キョフテとは、ラムの挽肉を玉ねぎ、パセリと一緒に、小さな団子にして網焼きしたもの。ハンバーグといえば肉汁があふれ出てジューシーなものを連想するかもしれないが、キョフテの食感は、肉汁たっぷりというのは少し違い、やや弾力のある食感。クミン、パプリカ、レッドペッパー、ブラックペッパーなど、使用されているスパイスやトルコ特有の香草はややクセがあるが、トルコに滞在経験のある隊員曰く、「懐かしい香り。私の住んでいた町は、どこからもこんな匂いをさせていたわ」と言うほど、伝統的な風味を演出しているのだろう。これを食せば、本当のトルコを感じることがでるかもしれない。好奇心を刺激された方には是非食してみてもらいたい。

Karisik Vegetarian($15.90)

ナス、ほうれん草、タマネギ、卵、たっぷりのチーズをピデで包み込んで焼き上げたディッシュ。ピデとは、ピタブレッドやインドのナンをややモチっとさせた食感で、容姿はイタリアンでいうカルツォーネに似ているだろうか。オリーブの風味がしっかりついたモチモチのピデを人数分に切りわけ早速頂くと、野菜の旨みを存分に包み込みこんだ風味が口の中に広がる。卵を入れることでよりクリーミーさが出るそうだ。女性隊員が笑顔でほお張っているのを横目に隊長がオススメを宣言した。

Yogurt Dessert($6.90)

チーズのような濃厚ヨーグルトにグレープシロップ、ハチミツ、ココナッツソースがかかっているが、意外にあっさり楽しめる。砂糖を一切使っておらず、ヨーグルトの程よい酸味をハチミツが上手に中和してくれ、実に食べやすい。ご存知の方もいるかと思うが、ヨーグルトはトルコが発祥の地。こんな都市伝説がある。中央アジアからの遊牧民が砂漠を旅していた際、山羊皮の鞄にミルクを入れて持ち運んでいた。数時間後その鞄を開けると、液体のミルクのはずが、ドロドロとした凝固状態に変わっていたという。砂漠の太陽と鞄の中のバクテリアが、ヨーグルトを作り出したとうわけだ。その後、人々はその美味しさに惹かれ、保存食としてだけでなく常食したと言われている。なるほどトルコは奥が深い。

今日は忙しかったのだろう…。疲れを隠しきれないイケメン・トルコ青年が気を効かせて、締めのTurkish coffeeを運んできてくれた。550年前にイスタンブールで生まれたトルコ式コーヒーで、コーヒーの粉は濾さずに、泡を消さないようにカップにそっと注ぎ、粉がカップの底に沈むのを待ってから上澄みを楽しむ。若干どろっとしているが、とてもまったりとした味わいで、豆の旨みを余すところなく楽しめる。トルコでは飲み干したカップの底に溜まったコーヒーの粉で占いを行う。残念ながらこの日は占い師がいなかったが、予約をすればアレンジが可能。また、毎週金曜日と土曜日のディナータイムには、ベリーダンサーのショーが催されるので、是非週末を狙って訪れてみてほしい。

トルコ料理は言わずと知れた世界の三大料理のひとつ。その理由には、豊富な素材やスパイスを使い、前菜、スープ、メインの肉料理、パン、野菜の詰め物、デザートなど、フルコースが確立されているからだと言われている。トルコ民族の移動やオスマン帝国繁栄の歴史的副産物で、アジアやロシア、中東、地中海沿岸などの伝統料理の要素がトルコ料理に取り入れられたからなのだろう。シティーから徒歩圏内で壮大なトルコの歴史を感じられる場所、『The Cushion House』に、是非一度足を運んでみてはいかがだろうか。

 

ソムリエK隊長のワイン談義

Conde de Aconcagua Chardonnay2007 Chilli $9.99
チリ産のよく熟成したシャルドネ。2本で10ドルはとてもラッキーでした。濃い味の料理にとてもよく合います。グループで来た際には是非チョイスしてみては。
Trapiche Oak Cask Pinot noir 2010 Argentina $17.00
ヨーロッパ最高水準の技術を取り入れ、アルゼンチンのワインの素晴らしさを世界に示した名門ワイナリーのピノ。とてもフレッシュな味わいで飲みやすく、ラムにとてもよく合いました。
Gabriel's Crossing Cabernet Sauvignon 2007 Coonawarra, SA $14.00
オーストラリアのボルドーと言っても過言ではない、赤ワインの聖地で作られた、〝天使の通り道〟という名のカベルネ・ソーヴィニヨン。とても滑らかな飲み口で女性にも向いています。
 
The Cushion House
73 Glebe point road, Glebe
TEL:02-8084-0285
WEB:http://www.thecushionhouse.com.au
OPEN 7DAYS 11:30 - Till late
アクセス:Central駅からバス433でGlebe Point Rdまで行き、Hereford Stの近くで下車。
 

 

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