オーストラリア・シドニーを楽しむための生活情報誌「チアーズ」
グルメ情報

Cheap Eats Great Taste


さまざまな既成概念を覆す!Albee's Kitchen

22/08/2013

このエントリーをはてなブックマークに追加

 


最近は「チープ」じゃない『Cheap Eats』になりつつあるんじゃないか…? という危惧に基づき、原点、「安くてウマい!」に立ち返ろうと決意した隊員たち。今宵訪れるは、ヤマグチ隊長が「7ドルで散髪したよ」と明かすほど物価の安いアジアンタウン・ケンプシーで、日々満員御礼の大繁盛を続けるマレーシア料理の大衆食堂だ。さあ食べ歩き隊よ、チープイートの真髄を見せてくれ!

 

「それが、もう満席なんですよ…」。取材隊員が現地に到着すると、困惑顔のH隊員とY隊員が店の前に佇んでいた。しっかり者のヤマグチ隊長が予約してくれているのでそんなはずはない、と店内を覗く。が、アジアの大衆食堂を思わせる狭い店内はすでに人で一杯だ。おかしいなぁと首を傾げていると、そこへ隊長が到着。事情を聞くや否や「ちょっと行ってきます」と颯爽と店の中へ消え、すぐに「入って~!」と手招きされた。え、立ち食い!?と覚悟を決めて店内に入ると、隊長は店員に率いられ、グングンと厨房の中に吸い込まれていくではないか。わけもわからずその後をついて行き、さながら戦場のように忙しく調理を続ける厨房の中を通り抜けると…、そこにはなんと、ふたつの隠れ客室が! 型破りな店内構造に、のっけからカウンター攻撃を受けた食べ歩き隊員たち。体勢を立て直し、いざメニューに挑む。

 



Kangkong Sotong $13.80
Satay Chicken $9.00
Lor Bak or Ngoh Hiang $8.00/1ロール $14.00/2ロール


一品目は、Karipap($2.50)。丸みを帯びた半円型で、パッと見、巨大揚げ餃子のような愛嬌がある。さくっとパイ生地にナイフを入れれば、半分にはチキン、さつま芋、豆などの特製カレーが、もう半分にはゆで卵がゴロンと入っている。「なんか懐かしい…。あ! これ日本のカレーパンだ!」と声をあげるH隊員は、毎度異国のメニューを、独自の翻訳機能で通訳してくれる。早速一品目は、「カレーパンwithたまご」に決定だ。

 

次に登場したKangkong Sotong($13.80)は、空芯菜とイカの甘辛ソース炒め。「食べてイーカなー」と皿によそうは、イカ好き代表O隊員。口に運ぶと、味噌田楽を思わせる甘辛な味付けに、ピーナッツとゴマの香ばしさが重なる。と、イカを口にした隊員から「何これ?! ところてんみたい!」「未知との遭遇だね」と口々に衝撃の声が。「これはイカサマ!」とまで言い切るはA隊員。茹でイカとも刺身とも違う、ツルツルとしてスッと噛み切れる、妙に艶っぽいイカ。頭に「?」マークをいくつも並べた隊員たちはすぐさまシェフへの質問を投げかけたが、その秘密は最後まで明かされることはなかった…。

 

未知との遭遇に動揺した隊員たちの前に運ばれてきたのは、心の平穏を取り戻す定番、Satay Chicken($9.00/6本)。サテとは東南アジアで食される串焼きのことで、鶏肉、牛肉、山羊肉などを香辛料で作ったタレに漬け込み、炭火で焼いたもの。マレーシアでは、キュウリや玉葱などとサーブされる。ピーナッツをすりつぶした甘めのタレが一般的だが、この日はダル(挽き豆をスパイスで煮込んだもの)のようなカレー風味のソースとともに。香辛料の効いたチキンはとても柔らかでジューシー、期待通りの安定感だ。







Fish Head Noodle Soup 
$11.00
Pandan Chicken $14.80



豚ひき肉とシーフードを大豆のシートに包んで揚げた、
Lor Bak or Ngoh Hiang($8.00/1ロール、$14.00/2ロール)。表面カリッと、中には薩摩揚げ風の具がギュッと詰まっていて、ハーブの香りが食欲をそそる。「これ美味しい! じゃこ天みたい!」とはしゃぐはR隊員。じゃこ天とは地魚のすり身を揚げた、愛媛・八幡浜の特産品だ。「愛媛の松山空港で売ってるの」とR隊員が語るとおり、松山空港にはじゃこ天を揚げる実演コーナーまである…と話がズレたが、こうして世界のローカルグルメ話が飛び交うのも、食べ歩き隊の楽しみのひとつ。「マレーシア風じゃこ天」を前に盛り上がる隊員たちに、「これはオススメでしょ」と、隊長から今夜一発目のオススメが宣言された。

 

満を持して登場したのはHainanese Chicken Rice($9.00)。丸ごと煮込んだチキン、その茹で汁で炊き上げたご飯、スープのセットで、マレーシア・シンガポールの代表的メニューだ。海南(ハイナン)チキンライスと言えば耳慣れた方も多いはず。中国・海南島の料理かと思いきや、実はマレーシアに移住してきた海南島民たちが独自に作ったもの。赤唐辛子ベースのチリソースか、ネギたっぷりのジンジャーソースで頂こう。隊長いわく、「ジンジャーソースは中国人好みで、マレーシア人はチリソースを好む。そうと知っても日本人には、ジンジャーソースたっぷり、がお勧め!」だそう。さらに「飲んだ後のシメに、ジンジャーソースだけ頼んでお茶漬けにすると最高」なのだとか。肝心のチキンも、「ゼラチンがツルツルしてていい~!」とH隊員が絶賛。好みによりセットのスープをかけて、「ぶっかけハイナン」を楽しもう。とにかくポイントは、たっぷりのネギとともに食べること。鶏の旨みをたっぷりと含んだ米、スープと、臭みを消し風味を豊かにするネギの調和がたまらん…と一同が目を細めるこの空気は、そう、オススメ決定だ。

 

「他テーブルで皆頼んでる」との視察情報により追加したPandan Chicken($14.80)。香辛料で下味をつけた鶏肉を、パンダンリーフという東南アジアのハーブで巻き、丸ごと揚げている。「香辛料がガンガン効いてるのがいいね~!」というチキンは、葉の香りも漂い、脂ののった肉がジュワァッと旨みを破裂させる。「まさにアジアの屋台で売ってそうな感じ。屋台ってその一品だけを作るプロだから美味しいんだよね!」と、ご機嫌な隊長は饒舌に語りだす。隊員一同の高リアクションに、迷わずオススメ宣言だ。

 




Karipap $2.50
Tapioka Cake $5.00
Pandan Koo Kueh $5.00


メインのラストを飾るは、Fish Head Noodle Soup($11.00)。ミルク&ココナッツベースで鮭の頭を加えて煮込んだスープに、トマトや豆腐など多様な具が入った春雨ヌードルだ。ひと口で「んっ、クリーミー!」とH隊員が目を丸くすれば、舌の肥えたR隊員も、「フィッシュヘッド、一回揚げてあるね。そのちょっと焦げた香ばしさがいい!」と太鼓判。と、そのとき、「…コ、コレはっ、梅干ダァァァ!」と、マレーシア食堂のスープからまさかの梅干発掘。だが隊長によれば、隠し味として梅干しを使うのは珍しいことではないという。他にも高菜やザーサイなど、意外な発見を楽しめる。ドクターOが「イチオシは海南チキンライスと迷う…、でも一品で色んな味が楽しめるから、ひとりで注文するならコレ!」と苦渋の決断をすれば、隊長も「海南チキンライスもいい…、でもこのヌードルスープは他じゃ味わえない!」と、接戦の末にイチオシが決定。つまるところ、数人で訪れてフィッシュヌードルスープと海南チキンライスを両方味わってほしい!というのが、食べ歩き隊のリアルな提言である。

 

女子に欠かせないデザートは、知る人ぞ知る入り口付近のテイクアウェイコーナーから。Tapioka Cake($5)は「まさにココナッツ」のケーキで、噛むたびにサクサクとココナッツ繊維の食感を感じるほど。Pandan Koo Kueh($5)は、パンダンリーフの色鮮やかな緑のゼリーと、ココナッツミルクゼリーとの二層で固められたもの。見た目に反して、卵風味の優しい甘みが懐かしいアジアンスイーツだ。





Hainanese Chicken Rice $9.00


当店は「勇気を持って!友達と来てほしい」と
H隊員。外観はローカル過ぎるかもしれないが、友人たちとエイと飛び込めば、そこには楽しいチープイートの世界が待っている。今回は計13品オーダーし、ひとり当たり約15ドル。「費用対効果バツグン!」と隊長もご満悦だ。ただし「女性は来る前にトイレを済ませてからがいいかも…」とO隊員のこっそりアドバイス。確かに「安くてウマい」を追求する当店、華美な設備はない。だが取材前日にはカブラマッタに2号店がオープンするなど、その味と勢いには自信がある。休日、物価の安い周辺散策を楽しんだ後にペコペコなお腹を抱えて、元気なおばちゃんが待つ「学食」を訪れてみるというのはどうだろう。

 

Albee's Kitchen

282 Beamish St., Campsie NSW 2194

Open:  Open 7 days / 10am - 10pm

アクセス:     セントラル駅からケンプシー駅までは電車で約20分。

ケンプシー駅に着いたらビーミッシュ・ストリートに

 

              出て右側に直進、徒歩約5分。

Tel:            (02) 9718 8302

Web:      www.albeeskitchen.com.au

Email:    reservation@albeeskitchen.com.au

酒類:
  BYO

※カブラマッタにも
1月下旬に新店舗がオープン(2/44 Park Rd., Cabramatta, TEL: 02 9718 8302)

 

 

 

このエントリーをはてなブックマークに追加

関連記事

「カジュアルな店内で本格派のできたてイタリアンをゆっくり楽しめる」というコンセプトのもと、2002年にドイツで産声を上げた『バピアーノ』。

この記事を詳しく見る

まるで2本撮りをしたかのように、前回に続きまたまたチャッツウッドに終結した食べ歩き隊一向。今回は2005年にアッシュフィールドで産声を上げたオーストラリア初の餃子専門店シャンハイ・ダンプリングがチャツウッドに登場した情報をキャッチし、日本からのスペシャルゲスト、ミスターを向かえ潜入を試みる。餃子専門店のクオリティはいかに!?

この記事を詳しく見る

アジア系の飲食店が急増しているチャッツウッドに、マレーシア国内でファイン・ダイニングのレストランを店舗展開しているシェフ・ラサ・サヤン・グループが半年前に上陸した。日本から戻ったばかりでもヤマグチ隊長のアンテナは常に感度良好。早速食べ歩き隊を引き連れてチャッツウッドへと乗り込むことに!

この記事を詳しく見る

ヤマグチ隊長不在の中、記念すべき200回を迎えてしまったチープイート…。今回は200回記念特別企画として、いままで訪れたレストランの中から印象に強い、安くて旨いベスト3レストランご紹介しよう。

この記事を詳しく見る

CATEGORY

Cheap Eats Great Taste

カジュアルに究極のできたてが楽しめる チャッツウッドに餃子専門店登場! マレーシアの繁盛店がシドニーに上陸! チープイート・グレートテイスト200回記念特別企画 編集部のリアル台所 ベトナム中部の母の味をマリックビルで楽しむ 成長を続けるチャッツウッドにフィリピン料理が登場 チープイートの原点回帰 本場セネガルの味をエンモアで タイ南方料理でヘルシーにお腹を満たそう! エキゾチックなスパイスの香りに包まれて 本場ナポリの情景をレーンコーブで インドネシア的おふくろの味がここに!PINANG BISTRO オリジナルメニューに誇りを持つ香港料理 OLD TOWN HONG KONG CUISINE 本家とはひと味違う新感覚をチャッツウッドで楽しめる Bassim 新感覚なエスニックの味を楽しめるアフガン料理 Bamiyan Afghan Cuisine 自家製パスタの旨みを堪能できる Porcorosso アーターモンで味わう家庭的台湾料理 Taipei Chef Restaurant 薪オーブンで焼き上げるピザに舌鼓 gigi pizzeria アジアンフード激戦区、チャッツウッドで注目! Golden Bo 15周年特別企画、初パブ飯!Glasgow Arms Hotel シティのとっておきの穴場で、東南アジアを感じる Holy Basil 一生通い続けたいイタリアントラットリア Made in Italy グラシャス! アミーゴ・セニョリータ!! Dos Senoritas International College of Management アッシュフィールドのニューカマーShanghai Memory トマトソースが絶品の地中海料理 MARSFIELD restauran 熱々サクサクの海鮮ちぢみが美味しい O Bal Tan "やみつきライス"が自慢のトルコ料理店! Erci さまざまな既成概念を覆す!Albee's Kitchen フラメンコギターの生演奏 El Bulli Spanish Tapas 韓国人街の最繁盛店はベトナム料理!? Saigon Bowl VIETNAMESE RESTAURANT 創造的な和モダン・タパスの世界 BIG STONE Modern Japanese Tapas 四川山椒を心行くまで楽しもう Red Chilli Sichuan Restaurant ボンダイビーチのマイリストランテ GELBISON PIZZERIA RISTORANTE ベリーダンスに誘われて The Cushion House 幻の麺“ミーカレット”に出会う Pinangsia Noodle House Indonesian Restaurant 幻のアンコウを求めて 名家 (ミュンガ) 食の交差点・クローズネストで楽しむヘルシー・ネパール料理  MUSTANG 肉食系はクージーに集まれ Brazilian stlye BBQ Churrasco@Sydney ついに2号店がチャッツウッドに登場! Mamak 幻のホワイトベイトのピザ"NANNATO"に迫る wood fire pizza Fratellis チャイナタウンで発見!進化し続けるモダン台湾料理 TAIWAN 激戦区に佇む穴場レストラン CHILLI CHA CHA 情熱の国で見つけた故郷の味 CAPITAN TORRES モダン・オーストラリアの魅力とは? Piemonte Cafe Restaurant 北方拉麺館 ボンダイで堪能するグリルの魅力 Hurricane's Grill & Bar TAGINE(タジン) エジプト伝統料理 ARISUN-中華と韓流が巡り合った場所 tipico-新イタリア人街・ファイブドックで見つけた名店 Na Zdrowie-ポーランド料理に感じる欧州の旅情 Papaya -モダン・タイで大切なひとときを Chinense Fast Food -激安区域アッシュフェ-ルドで本格上海料理 Cafe Kasturi -やさしさが沁みるマレーシア料理 2007年度 シドニー食べ歩き賞発表 Prasit's -チープな値段とタイの本格的な味 La Locanda -海の帰りに気軽に寄れるおしゃれイタリアン Chu Bay -シティの穴場ベトナム料理 Verde Miho -本場のポルトガル料理を食べるなら Forbes & Burton -スタイリッシュなモダン・オーストラリアン Dong Xanh -カブラマッタのベトナム料理店に挑戦 Galileo Restaurant -5つ星ホテルで贅沢なひと時を Mirac -韓国人がイチオシするうわさの韓国料理店 Moretti -イタリア人の常連客で賑わうイタリアン My Thuan Restaurant -カブラマッタの穴場的レストラン Grape Garden Peking Restaurant -本格的北京料理を堪能できる Kuali Malaysian Restaurant -シドニーで本場マレーシアンを求めるなら Hunter Connection -学生・ワーホリ必見! 激安・激うまフードコート Newtowns Cocina Morern Mexicana Cuisine -若者の間で人気のメキシコ料理店 RIPPA'S -本格ピザ・パスタ専門店 Lebanon and Beyond -母親から受け継いだレバノンの家庭料理 Last Train to Bombay -世界初のインド料理コンセプト Satang Thai -シドニーで本場タイの屋台の体験! La Disfida -ピザの歴史が味わえる ピット・ストリート地下フードコート -激安・激うまフードコート 第2弾! Kingsford Chinese Restaurant -食べてビックリ!! 払ってビックリ!! Tran's -洗練されたモダン・ベトナミーズ Elysium -素材を知り尽くす男が創るモダン・オーストラリアン Rosso Pomodoro -本場イタリアンの味をバルメインで Mamak -マレーシア料理 庶民の味が良心価格で The ttokssam Age -“韓国街”にあるコリアンバーベキュー Red Chilli -ウマ辛! 四川料理が今熱い Bundu Khan -ミステリアスな街Auburnでパキスタン料理 daGianni -家庭的なイタリアンをAnnandale楽しもう! APERITIF -キングスクロスで味わった本格ヨーロッパ料理 CAFFE ROMA -ポッツポイントで見つけた安らぎイタリアン DOMA -ビールで味わうチェコ料理の伝統 Madang -はずれ知らずの王道韓国レストラン DIN TAI FUNG -洗練された場で極上の小龍包 NAPOLI IN BOCCA -イタリアン・ビレッジで見つけた究極のピザ Chat thai -モダンな空間で味わう本場のタイ BUZZZBAR CAFE -休日にカフェでブランチを JINGOGAE -ふるさとの味を伝える韓国家庭料理 Taste of Shanghai -行列のできる上海料理店 in イーストウッド Hunter Connection Food Court -シティの中心地で最安値に挑む PHAMISH -エレガントに味わうベトナム料理 NEW SHANGHAI(新上海) -革命的中華がノースに進出 Bahay Kubo -Lidcombeで知ったフィリピン料理の魅力 SULTAN'S TABLE - Enmoreで味わうトルコ料理の奥深さ KAMMADHENU - ノースでスリランカの味を探る

CATEGORY

グルメ情報

Side 1
Side 2

FOLLOW US

SNSで最新情報をゲット!

NEWSLETTER

メールで最新情報をゲット!

メールを登録する

COUPON

オトクなクーポンをゲット!

全てのクーポンを表示
Suitecase