22/08/2013
![]() ![]() レベルが高いといわれている、シドニーの韓国料理。コリアンが多く暮らすこの街で、常に安定した人気を誇るレストラン「オバルタン」が今回の舞台だ。数あるメニューの中で注目したいのは、何といっても「ちぢみ」。ヤマグチ隊長をはじめ食べ歩き隊一行を虜にした、ちぢみとは? さあ、今宵も存分に味わいつくそう!
タウンホール駅からほど近い、コリアンレストランがひしめき合う一角。ピットストリートから小道を入ったところに広がる小さなエアポケットは、まさに隠れた韓国の路地裏・シドニーの新大久保だ。コリアンレストラン「オバルタン」は、韓国人の客も多く、本場の味に近いと定評の店。お隣のレストラン「マダン」と並んでご存知の方も多いかもしれないが、オバルタンは予約がとれる個室もあり、歓送迎会やパーティなど、ちょっとした集まりにも便利な一軒だ。
まず席に着くと出されるのが、韓国料理ではお馴染みのさまざまな種類の突き出し。ポテトサラダ、もやしの酢の物、プチちぢみ、白菜キムチ、きゅうりとニラのキムチ、玉ねぎの酢漬け、こんにゃくと玉子の炒め物など、小皿が一気にテーブルに並ぶ。「ここの突き出しは種類が多くて美味しい」とA隊員。特に白菜キムチは好評で、注文の品が出てくる前におかわりを頼んだほど。すべて自家製というオバルタンのキムチは、唐辛子をはじめとした香辛料と白菜を3~4日漬けて完成する。辛さと酸味のバランスがよく、食についてたくさんの知識を持つグルメ仙人Dr.Mは「キムチの美味しい店は、料理もみな美味しい!」と何度も繰り返し、その味を噛み締めていた。 ところで、チャプチェの麺は何からできているかご存知だろうか? 正解は「芋」。店のスタッフいわく、さつまいもに近い種類の芋のでんぷんから作られているとのこと。さらに、本来チャプチェは特別な日や祝い事に食べる伝統的料理で、日本と同じく長いものを祝い事に食べるのがよいとされているそうだ。
さて2品目は、今や日本では姿を消してしまったYuk Hwae($28)。生玉子と甘辛いタレをからめていただくお馴染みの一皿。さて、ここでまたクイズ。生肉を食べる習慣があるヨーロッパの国とは? 正解は「フランス」。ヤマグチ隊長いわく「ステーキタルタル」がそれ。なんでもフランスの高級レストランでは、生の馬肉を出すのだという。さらに、食の仙人Dr.Mのうんちくによれば、タルタルのルーツはモンゴル北方民族タタール人。彼らは馬肉を馬と鞍の間にはさんで移動し、だんだんと肉がすりつぶされて美味しくなったところを食したそう。これがタルタルのはじまり。「つまりタルタルはタタール人が語源なんです」とDr.M。その博学っぷりに、ただのユッケも妙に味わい深くなるのだった。
さあ、いよいよ今回のターゲットであるPa Jeon($13)が登場だ。「ここのちぢみは本当に絶品だから! とにかく熱いうちに、運ばれてきたらすぐに食べて!」と鼻息を荒くする隊長。そこへ登場したアツアツの焼き立てを、ごま油が効いた醤油ダレにつけてパクリ。「サクサクして美味しい!」「この厚みがいい」「トッピングの海老とよく合う」と、隊長推薦の一品だけにメンバーにも大好評だ。「そうでしょ~。料理には食べ頃があってね、ちぢみはできたてをばばっと食べてパリパリ感を楽しんでほしいんだよね」と隊長。確かに、厚みのあるサクサクした生地は、日本でよく目にする薄いタイプのものとはまったく違う。さすが隊長のオススメ! 今回のイチオシは、文句なしで海鮮ちぢみに決定だ!
Hae Mul Ddeok Bok Ki(S$25, L$35)は、ぷりぷりしたイカ、エビ、貝とトッポキ(韓国風の餅)が入った韓国の定番料理。決してマイルドとはいえない赤く染まったスパイシーな一皿に「これ結構辛いね」と舌をひりひりさせながらも、隊員たちの箸はとまらない。「辛いけど、ついもう一口食べちゃう」「カラウマ!」「後引く辛さ」と、"辛いけど美味しい"韓国料理の魅力に取り付かれた様子。辛いもの好きのN隊員だけは「辛いですか? これくらいなら大丈夫」と、ひとり涼しげな顔で食べていたが…。 さてここで、またクイズ。韓国では昔から唐辛子をよく食べていたか?Yes or No? 正解は「No」。食の仙人Dr.Mによると、韓国で唐辛子が食べられるようになったのは太閤秀吉以降。日本から韓国へ食品を送るさい、防腐剤として入れた唐辛子を韓国人が勘違いして食べたのがきっかけ。寒い韓国では身体を温めてくれるスパイスとして重宝されたという。
Dr.Mの博学さに感心しているうちに、テーブルの奥ではYaetnal Bulgogi($42)がグツグツと煮えてきた。特製のタレに漬け込んだ牛肉と、白菜、ネギ、青菜、にんじんなどの野菜が入った体が温まる栄養満点の鍋料理だ。隊員たちは待ってました!と言わんばかりに、湯気が立ち上るブルコギに箸を伸ばす。「肉がおもいっきり柔らかい!」「本当、すごく柔らかくて美味しい」と次々に肉への喝采が。この柔らかさの秘密は何だろうと店員に尋ねたところ、スジ切りした肉を醤油ベースのタレに漬けているとのこと。ちょっとした工夫とコツで、格段にその美味しさは増すのだという。肉と野菜の旨みがつまった、少し甘めのスープも美味だ。 ここでライスを注文し、「ご飯にスープをちょっとかけて、キムチと一緒に食べると絶品!」と、新たな食べ方を発見したヤマグチ隊長。「うどんすきにしても美味しそう」「すき焼きみたいに次の日もいけるかな」と、最後まで美味しく食べる術を研究しはじめる隊員。プルコギを"韓国風すき焼き"とし、日本人の鍋魂をここオバルタンでも全開にしたのであった。 はい、ではここでクイズ最終問題。冷麺の麺は何からできているか?隊員からは「そば粉」「海草」「こんにゃく」とさまざまな意見が飛び出すなか、店のスタッフが教えてくれた答えは「アロールート(arrow root)」。一同「何それ?」とアロールートが何なのかよく分からず、その場でスマホ検索した隊員が「ガマズミゾクノテイボクノソウショウ」と報告。 隊長「は? 日本語で!」 隊員「いや、日本語です。ガマズミ属の低木の総称、です」 隊長「日本語で聞いても分からない(笑)!」 後日、改めて検索したところ、和名はクズウコン。そこから取れる澱粉もアロールートといわれ、食品に用いられるようだ。そして我々を混乱させた、ガマズミ属の低木の総称だが、正しくは「アローウッド(arrow wood)」ということが判明。隊員の「root」と「wood」の検索ミスにより導かれた別物であった…。 こうしてお隣の国、韓国の食文化に触れながら、豆知識を増やしていった今回のチープイート。最後はやっぱりデザート!とアイスクリームを頼もうとした隊長に、「あまり売れないから、もうメニューにはないです」と流暢な日本語で返す韓国人スタッフ(笑)。そんなまさかのエンディングもご愛嬌と思えるほど、店は気さくで明るい雰囲気。韓国料理の楽しさを改めて感じた夜だった。
最後に、ぜひ韓国語でトライしてほしい一言。 「ケイサンジュセヨ!(お会計お願いします)」。 363A Pitt Street, Sydney NSW 2000 Open: 7DAYS 11:00am~midnightTel: (02) 9269 0299 Web: www.obaltansydney.com.au Email: [email protected] 酒類: Licensedアクセス:タウンホール駅から徒歩5分。ピットストリートをセントラル駅方面へ。セントラルストリートの次の路地を右折し、突き当たり右側の店。左側はマダン。
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「カジュアルな店内で本格派のできたてイタリアンをゆっくり楽しめる」というコンセプトのもと、2002年にドイツで産声を上げた『バピアーノ』。
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アジア系の飲食店が急増しているチャッツウッドに、マレーシア国内でファイン・ダイニングのレストランを店舗展開しているシェフ・ラサ・サヤン・グループが半年前に上陸した。日本から戻ったばかりでもヤマグチ隊長のアンテナは常に感度良好。早速食べ歩き隊を引き連れてチャッツウッドへと乗り込むことに!
ヤマグチ隊長不在の中、記念すべき200回を迎えてしまったチープイート…。今回は200回記念特別企画として、いままで訪れたレストランの中から印象に強い、安くて旨いベスト3レストランご紹介しよう。
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