22/08/2013
![]() 今回のチープイートはいつもと趣向を変え、初のコース料理をご紹介。 6月某日、チープイート取材当日。チアーズ担当の電話が鳴った。「もしもし~あのぉ~いまどこですか~?」。着信の表示は確かにヤマグチ隊長だ。ただ、電話の向こうから聞こえる声は、聞き覚えのある隊長…ではないような…。よくとおる隊長の声が、なぜかハスキーなしゃがれ声。「あのねぇ、風邪引いちゃってさ~。今日は最後までいられないかもしれないよ」。風邪か流行しているシドニーで、隊長ももれることなくウィルスに侵されたらしい。「だからねぇ、今日はあまりしゃべれないから~」。
今回、風邪の隊長を先頭に食べ歩き隊が向かったのは、マンリーの丘に建つInternational College of Management Sydney(以下ICMS)。ニコール・キッドマンも結婚式をしたという超立派な建物を前に、「キャー! ハリー・ポッターの学校みたい!」と早速女性陣からは黄色い歓声があがる。 実はここ、ホスピタリティの学校。校舎のなかには学校が運営するレストランがあり、ホスピタリティを学ぶ授業の一環として生徒たちがサービングをする。キッチンもプロのシェフが指示しながら、生徒たちが担当。レストラン自体が生徒のスキルアップのためのものだから、普段では考えられないほど安い価格で美味しい料理が食べられるのだ。 食べ歩き隊にとっては素敵なディナータイムであるのだが、レストラン側からしてみればまじめな授業中。当然フロアには生徒の動きを指導する先生がおり、ワインの注ぎ方からプレートの上げ下げなど細かく教えながら、実践的なスキルを磨いていく。「あの先生怖そう」なんて、学生気分を思い出す食べ歩き隊たち。いつにも増した高揚感のなか、スペシャルディナーのスタートだ。
ディナーコース、一品目のオントレーは、Waldorf Salad With Smoked Chicken BreastまたはRoasted Pumpkin Soup With Cardamon And Pine Nuts。スモークされたチキンブレストはさっぱりとシンプルな味付け。下に敷いたセロリとりんごのシャキシャキした食感もよく、サラダ感覚でいただける。もう一方のパンプキンスープは、野菜のうまみがギュッと濃縮された冬にぴったりの品。「寒い日に元気になるような、たくさん野菜がはいったスープ」「スープっていうよりペーストみたい。濃いのに、重くなくて美味しい」と隊員たち。「パンにもよくあうね」と滑り出しは好調だ。
「なんかさ、H氏がハリー・ポッターに見えてきちゃった」と突然Dr.O。確かに、由緒ある立派な建物は、あのホグワーツ魔法魔術学校を思わせる。高い天井に暗めの照明と壁の肖像画と…まるで映画の世界に迷いこんだようだ。「えっ?! そうですか?」と、なぜかまんざらでもないH氏。「ちょっとさ、黒ブチのメガネかけてステッキ振ってみてほしいよね」とDr.O。そして「名前はるき(H氏の本名)だし、ほんとにハリーじゃない! あははは」と笑うDr.Oに「ありがとうございます!」となぜか嬉しがるH氏。「えいっ!」とステッキを振ってみせるH氏に、ラドクリフ君がそんなに?と思いながらも、このときからH氏の名前はハリーに決定した…。 一方オーシャントラウトは、グリルした魚と黄色がかったクリーミーなソースが好相性。「さっぱりしてて日本人の口にあう。ニョッキも美味しい!」と初登場のT隊員。白玉のようなもっちりしたニョッキは見た目以上のボリュームで「これなら男性でもお腹いっぱいになる」とハリー。 と、ここで、さっきから無口の隊長が、まだ皿の上にトラウトを残したまま「今日はね、ここで失礼するから。ホントごめんなさいね」と席を立つ。しゃがれた声で「R隊員、あとは任せたから。じゃあよろしくね」と去っていく。急なむちゃぶりに驚くR隊員の「え?! ちょ、ちょっと隊長!」の言葉もむなしく、早々と退散する隊長。13年以上続けてきたチープイート史上初の"隊長早退"である。無念(笑)!よろよろと隊長が去ったあと「辛そうだったもんね。でも、隊長のおかげで来れたよね」と隊員たち。そして初の隊長不在となり、心もとない隊員たちの前には最後のデザートが運ばれてきたのだった。
気を取り直して、3品目のデザート。黒砂糖のようなデイツの甘みがたっぷりの定番デザートSticky Date Pudding With Caramel Sauce And Whipped Creamは、しっとり粘り気のある食感。ホイップクリームを付けると甘みがまろやかになって一層美味しい。一方、チェダー、ブリー、ブルーチーズの3種のチーズを盛り合わせたAustralian Cheese Plate With Homemade Quince Pasteは、ワイン(グラス$4、ボトル$22~)にぴったり。酸味があるカリンソースを少し付ければ、また違った味わいで楽しめる。
「全体的に奇をてらわない、誠実な味」「素朴でシンプルな味付けだけど、素材が贅沢」とディナーの印象を語る隊員たち。ホスピタリティについても「生徒のがんばっている気持ちが伝わってくる」「初々しさがいい」と、夢に向かって励む学生たちに刺激されたよう。 それにしても「建物がとにかく素敵!」「場所代だけでも30ドルの価値はある」と、場所と建物の素晴らしさに心をつかまれた今回の食べ歩き隊。30ドルでは考えられないような"雰囲気と料理とサービス"。帰りにはライトアップされた校舎と、遠くシティの夜景を楽しみ、マンリーという立地も手伝ってか、いつも以上にほくほく気分になった隊員たち。冬のシドニーだからこそ楽しめる「Christmas Dinner In July」もあるというから、ぜひこの機会に訪れてほしい。
Tel: (02) 9466 1012 Open: Lunch 12pm-2pm Dinner 6:15pm-8pm Monday to Friday10:30-21:50 Web: www.icms.edu.au/ 酒類: Licensed アクセス:シティからはサーキュラーキー発着のマンリー行きフェリーで30分。マンリーのフェリー発着場からは車で10分程度。小さい駐車場あり。 |
「カジュアルな店内で本格派のできたてイタリアンをゆっくり楽しめる」というコンセプトのもと、2002年にドイツで産声を上げた『バピアーノ』。
まるで2本撮りをしたかのように、前回に続きまたまたチャッツウッドに終結した食べ歩き隊一向。今回は2005年にアッシュフィールドで産声を上げたオーストラリア初の餃子専門店シャンハイ・ダンプリングがチャツウッドに登場した情報をキャッチし、日本からのスペシャルゲスト、ミスターを向かえ潜入を試みる。餃子専門店のクオリティはいかに!?
アジア系の飲食店が急増しているチャッツウッドに、マレーシア国内でファイン・ダイニングのレストランを店舗展開しているシェフ・ラサ・サヤン・グループが半年前に上陸した。日本から戻ったばかりでもヤマグチ隊長のアンテナは常に感度良好。早速食べ歩き隊を引き連れてチャッツウッドへと乗り込むことに!
ヤマグチ隊長不在の中、記念すべき200回を迎えてしまったチープイート…。今回は200回記念特別企画として、いままで訪れたレストランの中から印象に強い、安くて旨いベスト3レストランご紹介しよう。
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