オーストラリア・シドニーを楽しむための生活情報誌「チアーズ」
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本場セネガルの味をエンモアで

LAT-DIOR African Eatery

02/08/2014

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急速にオシャレ前線が進んでいるエンモアに、本場のセネガル料理を食わせるお店があるという情報が入った。今宵はヤマグチ隊長不在とのことで、急遽借り出された新米隊員のSさん、O先生の2名と古株隊員1名、そして竜太郎臨時隊長が高ぶる気持ちを抑えつつ、平常心とともにお届けする。臨時隊長&新米隊員たちのフルスロットルなコメントに乞うご期待。



雪でも降りそうなエンモアの夜、店のドアを開けると暖かい空気とともに早速香ばしいスパイスの香りが漂い食欲をそそる『LAT-DIOR African Eatery』。アフリカの荒野をイメージした赤茶色の壁には、オーナー夫人の親戚が民族衣装を着飾った写真が飾られていて、その自然体の面持ちがどこか懐かしい癒しを与える。セネガル出身のオーナー、モハマドさんは来豪から30年を迎えるが、当店で提供するディッシュの数々は、オーストラリアナイズされた味ではなく、本場セネガルの味を貫いているという。オーナーいわく、セネガル料理はアフリカ料理の中でも一番洗練されていると言われているそうだ。アフリカでは木製の食器を使うのが主流だが、当店で使用している器ももちろん木製。アフリカから輸入するほどの徹底振りがクオリティの高さを期待させる。

キッチンで腕を振るうのは奥さんのビネータさん。代々引き継がれて来た、母伝授の家庭的な味を提供する。アフリカでは、女性はみんな子供の頃から台所に立ち、料理をするのが普通なのだそう。彼女いわく、「セネガル人はお米を1日一度は食べないと、不機嫌になる!」というから、日本人と感覚が似ている。店内を見渡すと、カップルからヤングファミリー、学生のグループなど、幅広い客層がお米を中心とした料理を楽しんでいる。セネガルはイスラム教が主流なので、豚肉は宗教上食べない代わりにラムが多く、お酒も飲まない。また、意外にも魚介類の方が肉料理より多く食べられるという。お米と魚を食べる文化は日本人のそれに近く、またまたなじみやすい印象を受ける。サイドディッシュは4~6ドル、メインコースでも13.50~14.50ドルと“Eatery”と名乗るにふさわしく、これで美味しければチープイートのコンセプトにもバッチリだ。期待に胸を膨らませつつ一品目を待つ。

まずテーブルに運ばれてきたのは、日本食でいうコロッケに似たようなフライにピリ辛ソースがかかったAccara ($6)。アフリカではアカラと呼ばれる黒豆を一夜つけ込み、こねて揚げたものを、トマトとアフリカンスパイスの効いたソースで食す。まるで、おからを揚げたようなホクホクやわらかい食感と懐かしさに、1品目にしてアフリカ料理に対する壁が取り消された。「豆料理を食べる日本人にとってはとても親しみやすいですね、隊長」とO先生からのふりに、「これはオススメ、イチオシかな?」とノーコンキャッチボールを展開。竜太郎臨時隊長が緊張のせいかいきなりフルスロットルだ。

 

続いてセネガルで大衆料理として愛されているFataya($6)が2種類登場。三角形のものは中身が肉、四角形はベジタリアン、そして今回はオーダーしていないが長方形は魚、というように、一目見て中身がわかるようになっている。さくっと軽い食感の皮の中には、ジンジャーやペッパー、カレーパウダーなどのスパイスにほんのり包まれた、優しい味のビーフやレンズ豆が詰まっていて、ピロシキやパフペイストリーを連想させる。ベジタリアンを食べると豆特有のもっさり感がお腹を満たしてくれる。通常は備え付けのソースでスパイシーにいただくのだが、「ソースなしでも美味しいですね」とSさんはお気に入りの様子。

 

 

次に登場したのはお馴染みのCouscous($13.50)。今や世界各国で親しまれているクスクスだが、その起源は北アフリカにあるという。角切りにしたボーンレスのラムにホクホクのかぼちゃや人参、カリフラワー、ひよこ豆と野菜たっぷりで、見た目とってもヘルシー。マイルドなアフリカンソースとともに蒸したラムは、肉独特の臭みが綺麗に消え、食感が非常に柔らかい。「このクスクスは素朴な優しい味でとてもヘルシー。女性が好きなテイストですね」とO先生。ちなみにクスクスの発音を日本人がすると語尾が「上がる」か、もしくは「一定」になってしまうが、正しくは「下がる」そうだ。なので、モハマドさんいわく、日本人がオーダーするとすぐにわかるんだとか。

ここからカレーを3種ご紹介。酸味の効いたカレーのYassa ($13.50)は、チキンを何時間も煮込み、一度揚げてから、タマネギとともに蒸したカレー。ロンググレインライスか、クスクスといただく($2.20pp)のが一般的だ。人参やタマネギ、いんげんなどの野菜はシャキシャキ感が残っていて、食感がとてもよい。「隠し味でマスタードとお酢が入っていますね」と女性らしいコメントを放つO先生に、「食べ終わりにスパイシーさが口に残るのでついついもう一口食べたくなっちゃうなあ」と饒舌な臨時隊長。ぎこちなかった参加者も取材に慣れてきたと思いきや、Sさんが「これはオススメ」と宣言。古株隊員が「オススメは隊長が決めますので」と小言を言うが、耳に手を添えて聞こえない素振り。結局オススメ入りを果たした。

続いて登場したMafe($13.50)は、メニューに自ら“Delicious”と書いてしまうほどの自信作。ピーナッツバターとアフリカのスパイスで蒸したラムには、香ばしい風味がしみこみ、肉がほろほろ崩れるほど、驚くほどに柔らかい。今回のカレーの中で一番マイルドな仕上がりになっていて食べやすい。ここでも隠し味にビネガーを使用している。実はセネガル料理には酢が多く用いられるのが特徴なのだそう。「上手にラムの臭みも独特なクセも消されているので、ラムが苦手の人でも食べられるね」と臨時隊長。

 



最後に芳醇な海老の香りとともに登場したのは、海老の濃厚なエキスがスープに染み渡ったSossou-Sipakh($14.50)。ソース自体を魚介類やアフリカの豆、スパイスなどで作っているため、何しろ魚介エキスが自己主張。それをマスタードとレモンの酸味がうまく調和して仕上がった味は、実にクセになる。プリプリの海老は短時間スチームしてジューシーさを逃がさず調理しているそうだ。「この値段で4尾の海老はシドニーではなかなか食べられない!」と臨時隊長は、迷わず本日のイチオシを決定した。


 

今回の取材を通じて分かったことは、セネガル料理は意外にも豆やお米、魚をふんだんに使うため、日本食と通じる部分が多いという事実だ。各料理が少量なので、大勢で行って色々楽しむこともできる。もちろん値段もお手頃だ。ほとんどのディッシュにトマトが使用されているので、赤ワインを持って行くのもアイデアのひとつだろう。ケータリングをはじめパーティやファンクションも行っているので、オケージョンに合わせて使える当店。まだセネガル料理にチャレンジしたことない人には、ぜひ一度足を運んでみてほしい。

 

 


 

 

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