13/08/2019
魂を込めたらーめんを日々提供する『一番鳥』。2019年初頭、ニュートラルベイの老舗パブ『オークス』向かいに登場して以来、ローカルメディアなどでの露出が相次ぎ、瞬く間に行列をなす繁盛店としてデビューを飾ったのは記憶に新しい。裏手が正式な入口となっているが、現在ではミリタリー・ロード側からも入店が可能になり、新たに外席も設けられた当店。古き良き昭和を感じさせるような店内に足を踏み入れると、威勢のよい掛け声が鳴り響く。手前では豚骨スープの寸胴が並び、湯切りをする職人の姿が、その奥では備長炭を敷き詰めた炉端から、一枚一枚丁寧に炭火でチャーシューを焼き上げる松谷朋之シェフの姿がある。
ウィークリーメニューからカラスミらーめん
グルテンフリーらーめん
和牛豚骨らーめん
当店を切り盛りする松谷シェフは、シドニーで「チラシ寿司」のブームを巻き起こした人物で、弊誌コラム『和創の達人』でも活躍中。函館の寿司店で生まれたた松谷シェフは、札幌と実家の寿司屋で合計9年、シドニーの東レストランで約10年、華樹林で3年半と、寿司職人として20年以上のキャリアを誇る。新鮮な食材に恵まれた土地柄で育ち、和のテイストを熟知した松谷シェフだからこそ、炭火を生かして、食材の旨みを最大限に引き出した一品を提供できるのだ。
初めて訪れる方にはまず『The Signature』を試してみてほしい。鶏ガラ、手羽、モミジ、ネック、魚介、野菜などで炊き出した鶏ガラスープに、強火で炊き続けた豚のゲンコツ(膝関節部分)の骨髄に含まれるコラーゲンを抽出した濃厚な白濁豚骨スープを合わせたダブルスープを採用。オーダーが入ってから炭火で炙り上げるチャーシューやエリンギ、黒ナルトのほか、漢方などにも使用される健康フード〝エゴマ〟などを乗せて丁寧に仕上げる。エゴマがなくなればお店を閉めると言い切るほど、一番鳥のらーめんにとってエゴマは重要な食材となっているそうだ。
The Signature
オーダーが入ってから焼き上げるチャーシュー
鯖節鰹節の厚削りを鶏ガラスープの仕上げに使用
松谷シェフによる手作りのカラスミ
そして、現在一日20杯以上のオーダーを誇る『和牛ラーメン』も人気を伸ばしている。綺麗なサシの入ったA5和牛をふんだんに乗せたらーめんを、シェフ自らテーブルへと運び、目の前で炙るパフォーマンスが素晴らしい。また、和牛だけのイメージが強いが、ベールをめくれば、イクラやフライドガーリック、エリンギ、シイタケなどが顔を覗かせる。和牛も食べたいけど量が多いと感じる方には、最近登場した『和牛豚骨らーめん』があるので試してみてほしい。あっさり豚骨スープに和牛一枚、トビコやえのきなどが添えられていて、女性にも楽しめるテイストとなっている。
和牛らーめん
和牛らーめんの和牛の内側
常連客の中には著名人も多い。そんな彼らはウィークリースペシャルに注目している。魚介つけ麺、カニ味噌らーめん、カラスミらーめんなど、季節に応じて旬の食材を使用したアイデアらーめんとの一期一会が楽しめる。詳細は随時SNSなどでアップされるので、来店前に確認してみてほしい。
鶏ガラ、手羽、モミジ、ネック、魚介、野菜などで炊き出した鶏ガラスープ
グルテンフリーらーめんの食材
最後に、当店で使用される食材を下へ並べてみた。これだけこだわった食材を揃え、利益率よりも愚直に旨さを追求していく『一番鳥』。尖ったコンセプトのお店がつぎつぎに暖簾を下ろしていく物価高のシドニーにおいて、一番鳥は貴重な存在と言えるだろう。これから肌寒くなってくるシドニーの夜に、おもてなしの温かい心が溢れた当店に足を運んでみてはいかがだろうか。
らーめん&炉端 一番鳥
4/81-91 Military Rd.,
Neutral Bay
深夜12時まで営業中
営業時間:17:00~23:30
定休日:日曜・祝日
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