01/02/2013
着ぐるみでストリートライブをする、
ユニークな3ピースバンド「カートゥーン」。
チャンネル7やラジオ番組に出演するなど、
今もっとも注目すべきバスカーだ。
そんな彼らにチアーズがどこよりも早く
先取り取材を決行!
場所は、ボーカルのサツキが
週1回ボイストレーニングをする音楽スタジオ。
和やかなムードで始まったインタビューから、
彼らの生の声をお届けします!
チャンネル7の朝番組『ウィークエンド・サンライズ』に出演中の3人組バンド「カートゥーン」。ボーカルのサツキ、ギターのルーク、リズムのデイブは、同じ幼稚園に通っていた幼馴染み。昨年、高校を卒業したのを期にストリートでのギグを始めた。ユニークなのは、その出で立ち。ピカチュウやくまのプーさんといった着ぐるみ姿でのパフォーマンスが道行く人の目を引き、さらにポップな気ぐるみからは想像できないメランコリックで美しいサツキの歌声が人々の足を止めた。
なぜ着ぐるみを着ているのか?という質問に「着ぐるみを持ってたんです。そういうところは日本人だから(笑)」とボーカルのサツキ。彼女はオーストラリアで生まれ育った日本人。ルークと同じ高校で音楽を専攻し、毎週日曜にはデイブも合わせた3人で教会で歌っていた。卒業後、舞台をストリートに移しギグを続けていたある日、3人の活動がテレビ番組ウィークエンド・サンライズ関係者の目に留まる。そして彼らの本格デビューを目指すプロジェクト「バスカー・ブートキャンプ」が始まったのだった。
ルーク…「プロジェクトがスタートして本当にわくわくしている。それに家族や友達をはじめ、まわりのみんなが僕らをサポートしてくれているんだ」
デイブ…「確かにまわりがたくさんサポートしてくれている。テレビに出だしてから有名になったかは分からないけどね(笑)」
サツキ…「週に一度、このスタジオでボイストレーニングをしています。みんな応援してくれるから心強いですよ」
テレビ出演してからも、当の本人たちはいたって冷静。特に変わらない日々を過ごしているようだ。
そこで音楽活動以外での普段の暮らしを聞いてみた。
ルーク…「普段はガールフレンドと過ごしているかな。たまに海でボディボードもするよ。なんでサーフィンじゃなくてボディボードかって? サーフィンより簡単だからね(笑)あとは大学で化学と音楽を専攻しているから、その勉強で忙しいんだ。今日もこれから大学に行くよ」
インタビュー時も、ルークの手の甲には〝大学に4時30分〟とペンで大きく書かれていた。
ルーク…「昨日電話がかかってきたとき、書くところがなくてとっさに手の甲に書いたんだ(笑)」
取材時も常に会話の先頭にたち、明るくひょうきんなルーク。一方、カホンやギター、メロディカ(鍵盤ハーモニカ)とバックコーラスを起用にこなすデイブにも話を聞いた。
デイブ…「前から計画していたアフリカに行くんだ。だから、今はなるべくお金を使わないで貯めているところ。現地で3ヵ月間くらい教会で活動したりボランティアをしようと思っている。今は13~15歳くらいのこにギターを教えてるよ」
デイブはインタビューのなかで、ところどころ日本語を使う。
デイブ…「日本のアニメが好きだから覚えたんだ。ナルトとかワンピースとか。ガールフレンドと一緒にいない日は、家で漫画を読んでることが多いね」
意外にインドアな一面を持つデイブ。ボーカルのサツキはというと、アウトドアが好きなようだ。
サツキ…「写真を撮るのが好き。しかもデジタルじゃなくて父からもらったフィルムカメラで。現像までは自分でしないけど…。撮っているのはだいたい風景かな」
学生時代にはモラン・コンテンポラリー・プライズという写真賞も受賞している彼女。音楽以外のさまざまなものからインスピレーションを得ているのだという。
次に好きな音楽ジャンル・ミュージシャンは?という質問を投げかけてみた。
ルーク…「インディーロック、プログレッシブロック、それにダブやエレクトロも好き。Karnivoolっていうミュージシャンもいいよ。尊敬しているギターリストは、何といってもピンク・フロイドのデヴィッド・ギルモア。彼は何もかもが完璧だよ!」
サツキ…「パンクが好き。アメリカの女性ボーカルバンド、パラモアとか。Last Dinosaursはブリスベン出身で、3人が日本人のハーフ、1人がオージーの4人組バンドなんだけど、彼らも最近のお気に入り」
デイブ…「僕もルークと同じでインディーロックが好き。アーティストとしてはボン・イヴェールが一押しかな。あと、トロンボーンをやっていたから、ジャズにも興味があるんだ。特にマイルス・デイビスはとても素晴らしいジャズミュージシャンだと思う」
オリジナルソングはまだ1曲。ウィークエンド・サンライズのプロジェクトでは新しい曲も作り、レコーディングも進んでいるとか。普段は週3回ほどの練習、さらに金曜の夜はレインコーブのカフェで、土曜の昼はチャッツウッドでパフォーマンスをする。
サツキ…「レインコーブのギグでは着ぐるみは着ていません。シチュエーションに合わせて変えてるんです」
レインコーブでは夜6時頃から3時間も歌い続ける。カフェの客や道行く人のリクエストにも答えながら、コールドプレイ、フォスター・ザ・ピープルからアウトキャスト、ブリトニー・スピアーズまで歌いこなす。演奏中、何度かルークが弦を変えるためにうしろに引っ込む。どうやら日常茶飯事のようで、サツキとデイブは動じず歌を続ける。ルークは多いときで1度のライブあたり5本も弦を切ってしまうとか。
ルーク…「バスキングで稼いだお金も弦に消えていってしまうんだ(笑)」
クールなサツキとデイブに陽気なルーク、バランスのよい凸凹コンビのこれからを聞いてみた。
サツキ…「みんながカートゥーンの音楽で楽しんでくれたらいいと思う。通りがかりの知らない人でも楽しめるような、そんな音楽を目指したい」
ルーク…「次はリズミカルで踊りたくなるような楽しい曲を作りたいと思う。それに、もっと曲を増やしてアルバムも出したいな」
デイブ…「ウィークエンド・サンライズのプロジェクトはすごくいい機会だと思うから、このチャンスを生かしていきたい。そして僕らの曲がいつかiTunesでダウンロードができるようになったらいいな!」
ミュージシャンとして走り出したばかりの彼ら。そんな彼らにワーキングホリデーや留学でオーストラリアに来ている日本人にメッセージをもらった。
ルーク…「海外に来たことがまずスゴイことだと思うよ! 海外でしかできない経験もたくさんあると思うから、どんどん試してみてほしいな」
デイブ…「自分で動かないとチャンスは巡ってこないと思うから、いろいろな場所に行ったり人に会ったりして、さまざまな体験をしてください」
サツキ…「うん、私もふたりと同じ意見。keep on trying!」
くったくない3人はインタビュー中もつねに歌い、笑っていた。まわりの目を気にせず今やりたいことをやる、心から音楽を楽しんでいる様子がとても伝わってきた。
最後に、今楽しい?という質問に3人がそろってこう答えてくれた。
「Yes, so much fun!」
プロフィール Cartoon
幼馴染みの颯季(ボーカル・中央)、Luke(ギター・右)、Dave(カホン・左)で結成。現在、チェンネル7の『ウィークエンド・サンライズ』にて毎週彼らにスポットをあてた「バスカー・ブートキャンプ」が絶賛放映中。オフィシャルHPからも放映された映像を観られるからぜひチェックを!
オフィシャルHP
http://www.wearecartoon.com/
ギグ予定:
Every Friday
Venue: Epitome Cafe
Address:
Lane Cove NSW 2066
2012年6月号
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