オーストラリア・シドニーを楽しむための生活情報誌「チアーズ」

Plastic Free July 特別企画 あなたのゴミ、 どこに行くか 知っていますか?今私たちができること


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近年、プラスチックごみやマイクロプラスチックによる海洋汚染が頻繁に取り上げられるようになり、地球が直面する危機を肌で感じるようになった方も多いと思います。ビニール袋を食物源と誤り、飲み込んでしまったウミガメや、プラスチックの漁具やロープに絡まってしまったアザラシ、海岸に打ち上げられたクジラの死体から大量のプラスチックごみが発見されるといった、悲惨で痛々しい画像や動画も、SNS上でよく見かけるようになりました。


しかし、プラスチックによる危機は海洋生物のみならず、私たち人間にも、もうすでに忍び寄っており、2016年の世界経済フォーラムでは、各国が積極的にプラスチック問題に向き合わない限り、2050年までに、海に漂うプラスチックごみの量は魚の量を上回ると報告されています。先日、日本で開催されたG20では、「2050年までに海洋プラごみゼロ」を目指すことで首脳らが合意したことからもわかるように、地球は今、緊急事態にいるのです。
今月は今地球が抱えるプラ問題に触れながら、シドニーに住む私たち個々が排出するゴミの行方、その処理の仕方を考えていきたいと思います。

 

ごみのライフサイクルを考える

プラスチックは自然分解しないため、半永久的に残る特徴があり、環境に出てしまったプラスチックは最終的に雨で流され海へ辿りつくのです。WWFジャパンによると、すでに世界の海に存在しているといわれるプラスチックは、年間800万トンに上ると言われています。これはジャンボジェット機5万機相当の重さです。これらのプラスチックは、やがて小さなプラスチックの粒子、二次的マイクロプラスチック※となり、海洋生態系に取り込まれ、いずれは私たちの食物連鎖の一部となってしまうのです。また、海産物の他にもペットボトルを通じて摂取した飲料水や、調理に使う塩、さらには空気中を舞うホコリなど、あらゆるルートでマイクロプラスチックは私たちの体内に侵入していると考えられ、人間は日常生活において1週間あたり、クレジットカード1枚分のプラスチックを知らぬ間に摂取しているといわれています。これらマイクロプラスチックを通じて体内に入る有害物質が与える人体への影響は現時点で正確にわかっていませんが、がんの増加や生殖機能の低下、胎児への発育異常など、今後徐々に明るみになると懸念されています。
※ 一次的マイクロプラスチックは、すでに世界各国で禁止されはじめている、洗顔料や歯磨き粉などに利用されているマイクロビーズを指す

 

オーストラリアのリサイクルの実態

私たちが黄色のリサイクルビンに入れたゴミは実際、どれだけリサイルされているのでしょうか? 過去20年間に渡り、オーストラリアのリサイクル産業は、アメリカや日本同様に、中国なしに語ることはできませんでした。しかし2018年より中国が廃棄物の輸入を禁止にしたため、再生ごみは行き場を失っています。本来はリサイクルされ、原材料として使用可能であるはずの廃棄物の中に、大量の汚れた、あるいは危険でさえあるごみが混ざっており、これらが中国の環境を深刻に汚染している、というのが輸入禁止となったひとつの理由です。

また今年5月にはマレーシアが同国へのごみの輸送は「不公平かつ非文明的」だとし、輸入されたプラごみ数百トンを返送する決断をし、「わが国が先進国に虐げられることはない」と明言しています。今後はその他の東南アジア諸国も同じ道を歩むことが想定され、私たちはますますゴミに対する意識を高めなければいけない時代に突入しているのです。

今年4月に放送されたチャンネル9の『60ミネッツ』によると、行き場を失ったオーストラリアのプラスチックごみは現在、ウェアハウスに山積みになっていたり、埋め立てられていたり、東南アジアで違法に焼却されるなど、実際にリサイクルされ、再利用されている再生ごみは、ごく一部に限るといいます。またこれはオーストラリアのみならず、世界で排出されるプラスチックのわずか9%がリサイクルされ、12%は焼却、そして残りの79%は埋め立てられているという、とても衝撃的なデータも発表されいます。

「自分の国で排出されたゴミは自分の国で処理をする」。この当たり前のようで、当たり前になっていない現状こそが、地球のプラ問題を加速化していると考えられます。そのためにも私たちひとり一人が日々の生活で意識的にごみを減らすこと、しっかりと分別し、再生可能のゴミが実際にリサイクルされるように努める必要があります。

 

小さなことからコツコツと
私たちが今すぐできること

人間が約70年ほど前に開発したプラスチックにより、何億年という月日を刻んてきた地球が今、危険にさらされています。その緊急性を頭でわかっていても、なかなか行動に移せないという方は少なくありません。まずは今あなたができることから、少しずつエコライフにシフトチェンジしていきましょう。

1.エコバッグを持ち歩く

大手スーパーが無料レジ袋を廃止してから約1年になりますが、国内で唯一、レジ袋の規制がないNSW州では、未だに無料でレジ袋を配布しているお店は少なくありません。また大手スーパーが15セントで販売している分厚く、丈夫なプラスチックバッグは、従来のもの以上に自然分解に時間を要するため、52回再利用して、はじめて環境への影響を軽減できると言われています。そのため、布や紙でできたバッグをチョイスしましょう。

2.プラスチックで梱包された青果物をさける

簡単に手に取れるため、パッケージされた商品を購入しがちですが、実際のところ同じ店内に売られているばら売りの同商品の方が値段がお得であることも少なくありません。またばら売りのさいに使用しがちなビニール袋の使用も、マイバッグを持参して、少なくするよう心がけましょう。青空マーケットなど、プラフリーの場所で青果品を購入するのもお勧めです。捨てるだけのプラ梱包にお金を払うのはもうやめましょう!

3.マイカップを持ち歩く

コーヒー大国であるオーストリアでは、年間3兆を超えるテイクアウェイカップが消費されていると言われます。これらのペーパーカップはリサイクル可能と思われがちですが、その大半が防水性を持たせるため、内側にポリエチレン加工がされています。そのため良かれと思いリサイクルビンに入れたカップひとつのお陰で、本来リサイクルされるべき紙や段ボール類もまでが「汚染物」とみなされ、まとめて埋め立てへと回されてしまうことも。最近ではリサイクル可能なカップも出てきていますが、その表示がクリアでないため、結局は埋め立てに回ってしまうことが多いのです。

4.セカンドハンドを買う

不要になったものをチャリティに「寄付」する方は少なくないと思います。捨てずに誰かに再利用してもらうのですから、悪いことはありませんが、どれくらいの方が、こういった「セカンドハンド」を実際購入しているのでしょうか? 寄付するだけでなく、セカンドハンドを購入してはじめて、ゴミの減少に貢献できるのです。各サバーブにあるOPショップや、ガムツリー、日系のクラシファイドなどを利用して、新品を購入することを極力避け、自然にもお財布にも優しいライフスタイルを心がけましょう。

5.プラフリーパーティを心がける

誕生日やクリスマス、バーベキューなど、なにかとパーティが多いオーストラリア。プラスチックのお皿やカトラリー、コップ、テーブルクロス、ストローなど、一度のパーティで大量の使い捨てプラスチックが消費されます。紙やバンブーでできたものにシフトチェンジし、またキッズのパーティで配られるパーティバッグの内容もいま一度見直してしてみましょう。また結婚式などの式典で風船を空に飛ばすのをよく目にしますが、その後風船がどこへ行くのか、考えたことはありますか? ヘリウムの風船は8キロほど上昇してから細長い破片に破裂し、海を汚染することがわかっています。

6.リサイクル製品を購入する

再生可能なゴミが今後も積極的にリサイクルされるためには、リサイクル製品を購入し、その産業を支え、活性化させる必要があります。

Who Gives A Crap 100% 
Recycled Toilet Paper 
Winc Australia


$63.45 (48個入り)
100%リサイクル資源を利用。インクや染料、芳香剤などを一切使わない、自然に優しいトイレットペーパー。利益の50%は、トイレがない貧しい国々へ寄付され、下水施設や衛生施設にあてられます。知ってました? 世界で3人に1人はトイレのない生活をしています。

Onya Life Reusable Produce Bags
Nourished Life


$15.95 (5 Bag Pack)
BPAフリー、100%リサイクル資源を使用。ばら売りの青果物を入れるにの最適。重さは10グラムのため、計りにかかることはなく、また使用後は手洗いまたは洗濯機に入れることも可能。

Green Toys


●Fire Truck     $45.95
●Sand Play Set    $29.95
ミルクボトルを100%リサイクルして作られた米アメリカ出身のおもちゃブランド。有害なものは一切使用しておらず、安心してお子さまに遊んでもらえます。

7.使い捨てから再利用できるものへシフトチェンジ

ストローやサランラップをはじめ、生理用品、おむつ、綿棒など、私たちの身の回りは使い捨てのもので溢れかえっています。みなさんもまずは何かひとつでいいので、再利用できるものにシフトチェンジしてみてはいかがでしょうか?

みつろうecoラップ
KoKeBee


●オーガニック柄ラップセット(L,M,S) $35
布にミツロウやホホバオイル、樹脂などを染み込ませ作った洗って何度でも使える食品保存用エコラップ。可愛い柄がキッチンを楽しくするだけでなく、日本に伝わる“勿体ない”という精神を再び蘇らせたいとの思いが込められています。

オーガニック布ナプキン
Duty for Cutie(Etsy)


$24 (3枚セット)
フランネルとヘンプを使用した、お肌に優しいオーガニック布ナプキン。経済的で環境にやさしいほか、近年は生理痛の軽減や女性の病気の防止など、そのあらゆる効果も注目されるようになってきました。

Pod Star Double for Nespresso
PODSTAR


$69.95
Nesprsso対応の詰め替え用カプセル。お気に入りのコーヒー豆を詰めるだけで、市販されているカプセルよりも、お得にコーヒーを楽しめます。食洗器対応。抽出後のコーヒー豆はお庭またはコンポストへ。

今や私たちの暮らしの隅々で利用されているプラスチック製品は、必ずしも必要でなはいことを、再確認し、小さいことからコツコツとエコ生活へとシフトチェンジしていきましょう。

 

ちゃんとリサイクルできていますか?

リサイクル可能のゴミだったら、リサイクル用のゴミ箱に全部入れればいい。国民の大半がそう勘違いしてしまっています。リサイクル可能なゴミでも分別を間違えてしまったり、汚染物が混じってしまうと、本来リサイクルされるものがすべて埋め立て地へと回ってしまいます。まずは何がリサイクルできるか、今一度確認してみましょう。
※各カウンシルによって規定が異なる場合があるので、詳細は各カウンシルのウェブをチェック

※近年、オーストラリアも日本のようにリサイクルの表示が細かくなってきました。

リサイクルビンには何をいれていいの?

〇 ペットボトル、アルコールボトル
〇 牛乳やジュースのパック
〇 ガラス瓶
〇 紙、ちらし、封筒
〇 新聞紙
〇 段ボール
〇 アルミやスチール缶
〇 卵パック
〇 スプレー缶

× 生ごみ
× プラスチックバッグ
× ソフトプラスチック
× 発砲質ロール
× ストロー、プラスチックカトラリー
× 瀬戸物、食器類、耐熱ガラス
× テイクアウェイ・コーヒーカップ
× プラスチックの植木鉢
× ガスボンベ
× シュレッダーにかけられた紙
× おむつ

Planet Arkによると、セントラルコーストの分別所だけでも、毎週5000個もの使用済みおむつがリサイクルビンから見つかっているといいます。

注意点

ペットボトル 
●ペットボトル→ Recycling Bin
●蓋、セイフティリングは外し→ Recycling Bin
●ラベルは取り外し→ RedCycle Binへ(54ページ参照)
※Return and Earnに返却するさいラベルはそのままに

テイクアウェイコーヒーカップ
●蓋→ Recycling Bin
●カップ→ Waste Bin(一部除いてリサイクル不可)
※最近ではリサイクルやコンポスト可能なカップも開発されています。表示をご確認ください

ピザの箱
●食べかすや油がついているもの→ Waste Bin(リサイクル不可)
●汚れが目立たない蓋の部分は破って→ Recycling Bin

ワイン、アルコールのボトル
●ボトル→ Recycling Bin
●蓋、リングを取り外して→ Recycling Bin

ティッシュの箱
●プラスチック部分を取り外し→ RedCycle Bin
●箱は潰して→ Recycling Bin

紙袋
●ハンドルは取り外して→ Waste Bin
●袋は潰して→ Recycling Bin

ゴミの正しい処理の仕方、知ってますか?

ゴミの分別をしっかり行い、正しく処理することで、私たちが地球に残すエコロジカルフットプリントを軽減することができます。海に流れ着いてしまったたばこの吸い殻が分解するには10年、レジ袋は20年、おむつは450年もかかるんです!海にゴミを辿りつかせないように、まずは正しい分別と処理の仕方をおさらいしよう。

電池 Battery Recycling

EUが10年以上も昔に使用済み電池の回収&リサイクルを電池メーカーに義務付けるようになったのに比べ、オーストラリアには現在、そのような法律は存在せず、また多くの方が電池の正しい処分の仕方をしらないため、年間3万本の電池、重さにして8000トンが埋め立てられていると推測されます。電池の中には有害物質が含まれているものもあり、そのまま埋め立ててしまうと、環境を汚染する可能性があります。シドニーでは現在下記の場所で電池の回収を行っています。

・ALDI
無料で使用済みバッテリーを回収しています。受け付けているのはAA、AAA、C、D、9Vのみとなっています。
最寄りの店舗は:https://www.aldi.com.au/

・Battery World
ご家庭で出た使用済みバッテリーをサイズ問わず無料で回収、そしてリサイクル。ビジネスや団体などで出た大量のバッテリーには費用がかかる場合もあります。また不要になった携帯電話や無線機なども回収しています。
最寄りの店舗は:https://www.batteryworld.com.au/
 

ソフトプラスチック RedCycle Bin

https://www.redcycle.net.au/
まだ認知度が低い、RedCycle Binはソフトプラスチック専用の回収ビンです。手でボールの形に握れるプラスチックがソフトプラで、大手スーパーの出入り口などに設置されています。ご自宅のリサイクルビンで、ソフトプラはリサイクルできないので、ご注意ください。

〇 パンの袋
〇 ビスケットやキャンディのパック
〇 レジ袋
〇 トイレットペーパーの包装
〇 青果ネット

× ビスケットや肉のトレイ
× パンの袋のクリップ
× サランラップ
× ストロー
× 分解性のある袋

ペットボトル、空き缶、空き瓶、紙パック Return and Earn

https://returnandearn.org.au/
ペットボトル類は、ご自宅のリサイクルビンに入れるよりも、Return and Earnの返却ステーションに戻すことで、再利用されることが約束され、また対象となる容器の返却ひとつにつき10セントが返金されます(チャリティに寄付も可能)。19ヵ月前に導入されてから、これまで20億個の容器が回収されました。

回収されないもの:
×牛乳やジュースのボトル、ワインやスピリッツのアルコールボトル
×壊れているもの、潰されたもの
×ラベルが取れてしまったもの
※上記のものは家のリサイクルビンへ

蓋はついていても回収されますが、外しておくことで、その後のリサイクルの過程をスムースにします。

家庭で出た化学廃棄物 Chemical Waste Collection Day

残ったペンキや除去剤、クリーニング用品など、家庭で出たケミカルは、有害物質が含まれているため、普通ごみとしての処分はできません。各カウンシルでは、年に数回、こういったChemical Wasteを回収するコレクションデーを設けているので、ウェブサイトでチェックしましょう。

生ごみ Compost Bin

生ごみや枯れ葉などの有機物を、微生物や菌の力で分解発酵させ、栄養たっぷりのたい肥にすることをCompostingといいます。自然の力で、ガーデニングに最適な良質のたい肥を作ることができます。現在Red Binの3分の1は生ごみが占めているといわれ、Compostingをはじめることで、大量のごみの削減が期待できます。シドニーシティカウンシルは今年の7月29日よりFood Wasteのみを回収し、再生可能なエネルギーや肥料に充てる、FoodScrap Recyclingを4300世帯を対象に1年間試験実行します。

Compost Binにはさまざまなタイプがありますが、ご自身のライフスタイルに合ったものをチョイスしましょう。
 

ユニット暮らしにお勧め


Bokashi One  $98
日本のぼかし肥料から名付けられたこちらのコンポストは、キッチンでも手軽にたい肥作りが可能。従来のコンポストビンと異なり、肉類や骨、魚、チーズなども入れられます。

庭付きの一戸建てにお勧め


Dirt Vader Compost Bin  $99.95
生ごみや枯れ葉などを入れて土をかぶせ、時々空気を入れるため混ぜてあげるのみ。回転式と異なり、しばらく放置してもOK。UVにも強く、頑丈。最初で最後のコンポストビンになるかも?

より早くたい肥を作る


Eco Tumbler Composter  $269
より早くたい肥作りが可能な回転式タイプ。仕切りがついているため、ひとつ目のコンパートメントが分解発酵している途中でも2つ目に新しい生ごみを入れることができます。

 

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