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Australian News 月刊 ダイジェスト 豪州時事 15.July-15.August


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NSW州妊娠中絶合法化で22週目まで中絶手術が可能に

8月8日、NSW州議会下院で119年の歴史を持つ妊娠中絶禁止の条項を刑法から削除し、医療の対象とする法案が59対31で可決された。
妊娠22週間までは妊娠女性の要請で資格医が行うこと、22週間を過ぎている場合には医師2人の合意があれば中絶手術を行うことが合法となる。また、良心に基づき中絶手術ができない医師は他の医師を紹介する義務を負うことなども含められた。法案の採決にあたっては2週間にも及ぶ激しい討論が繰り広げられ、中絶を犯罪法から排除し、医療処置として定義することを目的としたため、労働党、保守連合とも個々の議員の良心に任せるとした。法案は州議会社会問題調査委員会が審査し、条項に問題がなければ上院に回されて可決される見込み。自由党は35人の議員のうち反対票を投じた者も多く、グラディス・ベレジクリアン州首相が賛成票を投じた後、ブラッド・ハザード保健相やアレックス・グリニッジ国会議員、ジョン・バリラロ副首相とジョディ・マッケイ野党党首もこれを支持。緑の党、労働党も賛成票を投じたが、マーク・スピークマン法務長官、ドミニク・ペロテット財相、ロブ・ストークス計画相大臣を含め7人の自由党大臣が反対票を投じた。
今回の立法案はグリニッジ国会議員が議会に提出したもので、ハザード保健相は「この法案は、NSW州民の過半数の考えに沿ったものだ。これまで誰も勇気を出して改定しようとせず、女性の尊重されるべき権利を刑法の犯罪にしてきた。この法律が制定された当時の議員は男だった」とコメント。これより先の7月31日には、妊娠中絶合法化の支持者らが議会前でデモを実施。集まった数百人の支持者の前でグリニッジ議員は、NSW州は女性の州首相、女性の野党党首を持つ州だとして「NSW州の女性が、出産に関して自己決定権を持つ時代が来る」と語っていた。

NSW州でこの冬最強の冷たい強風が吹き荒れる

寒冷前線の影響を受けて、8月9日から11日にかけて、NSW州は冷たい空気と強風に見舞われた。気象庁は、この冬最強の寒冷気象と予報し、冷え込みと同時に荒れ模様の天候となった。
9日からNSW州で吹き荒れた強風と突風により、ニューカッスル、ウーロンゴン、ナウラ、アーミデール、カトゥーンバ、グラフトン、ゴールバーンなどで影響が出た。シドニー空港では10日、国内線10便がキャンセルとなり、国内線は平均30分、国際線は45分の遅延が生じた。11日にはシドニーの近郊及びバイロンとコフスの海岸で強風警報、マッコーリー、ハンター、シドニー、イラワラ、ベイトマンズ、エデンの海岸では突風警告と共に波浪警報も発令された。西から南西への強風は、11日にシドニーで開催されたマラソン大会「シティ2サーフ」に参加した約7万5000人のランナーにとっては追い風となった。
NSW州救急サービス(SES)にも多数の救援要請が寄せられ、天候が悪化してから10日午後6時までの間に1167件の要請があったが、その多くが州南東部、なかでもシドニー西部ブルーマウンテンからだった。ブルーマウンテン、ウェントワースフォールズでは積雪となり、アルパイン地方のスレドボ、スノーウィー・マウンテンやコジオスコ国立公園周辺では道路が断続的に閉鎖された。
また、激しい豪雨と強風に見舞われたVIC州では9日午前9時頃、マルーンダ・ハイウェイで大木が乗用車の上に倒れ込み、助手席に乗っていた女性が死亡。子供2人はロイヤル・チルドレンズ病院に、運転していた男性はアルフレッド病院にそれぞれ搬送された。同州救急サービス(SES)には9日朝までの24時間に、救助要請の電話が630件寄せられた。
 

シドニーロックアウト法、撤廃を求める声

NSW州政府が2014年2月に施行したロックアウト法について、再度撤廃を求める声が高まっている。
この法律は、シドニーの中心業務地区や歓楽街のクラブやバーが、午前1時半の「ロックアウト」制度と、午前3時の「ラストドリンク」制度の対象になることを定めたもの。犯罪統計・研究局(BOCSAR)の最新報告書によれば、ロックアウト法施行から5年の間で、暴行事件の件数がキングス・クロスでは53パーセント、CBDでは4パーセント減少した。しかしその一方で、ニュータウン、ダブル・ベイ、ボンダイ・ビーチ、クージーなどのシドニー近郊における件数は30パーセント増加。BOCSARのジャッキー・フィッツジェラルド部長代理は、ロックアウト法は、キングス・クロスでは依然として強い効力を発揮しているが、CBDでの効果は薄れてきていると指摘。
また、対象区域内に数十ヵ所のパブを経営するジャスティン・ヘンメス氏は「シドニーのロックアウト法は暴力排除の面で十分役目を果たした。今こそ取り払うべきだ。新メトロの開通、ウーバーなどの進出で、24時間いつでも外出できる環境が整ったのだから」とコメント。ロックアウト法が時代遅れだと主張した。ホスピタリティ団体Solotelの最高責任者ジャスティン・ベイカー氏も「活気に溢れ前衛的だったかつてのシドニーはすっかり面影をなくしてしまった」と語っている。
シドニー市長のクロバー・ムーア氏によると、2013年以降、シドニーを訪れる35歳以下の観光客は10パーセント減少しており、ライブミュージックを提供する施設は50パーセント以上も減少したという。しかし、救急隊スタッフらはロックアウト法の完全排除について警鐘を鳴らしており、緊急サービスへのアクセスを増やし、CBD内のバーにIDスキャナーを設置することを義務付けるなどを提案。NSW州看護・助産婦協会のブレット・ホルムズ氏は「アルコールが経済活動の中心になるような環境を再び作り出すべきではない」と語っている。

シドニー淡水化プラント規模拡大計画

Sydney Water Desalination Plant

NSW州政府は2002年から続く干ばつの影響でダムの貯水量の低下が続いていることを危惧し、渇水対策としてシドニーの淡水化プラントの規模を拡大する方向で調整を進めている。
現在シドニーで最大150万人を賄うことが可能な南部カーネル地域にある脱塩淡水化プラントは、ダムの貯水率が60パーセントを下回った今年1月に再稼働されており、2012年以来2度目となる。水資源大臣のメリンダ・パヴェイ氏は「これまで体験してきた中で過去最悪の干ばつ状況」だと述べながら、シドニー淡水化プラントは予定よりも2ヵ月早い7月末に既に上限に達したと報告。「現在1日2億5000万リットルを生産しており、シドニー市内で必要な供給量の約15パーセントに当たる」と説明し、再稼働して以来ダムの枯渇量は週に0・2パーセント改善していることを明らかにした。さらに「既存の工場を拡張して処理水量を1日2億5000万リットルから5億リットルに引き上げれば、干ばつが悪化し、水位が低下し続けた場合でも、即行動に移して水供給を増やすことが可能だ」と語った。影の内閣である労働党のウォルト・セコード氏も、水の安全保障は党派を超えた国民全体の懸念事項であり、ベレジクリアン政府と協力してシドニーの水供給確保に協力する旨を声明で発表している。NSW州では6月1日に、シドニー、ブルーマウンテンズ、イラワラの各地域でレベル1の給水制限を実施したばかり。

シリアル動物キラー、ノーザンビーチで毒入り肉をばらまく

シドニーのノーザンビーチで、ペットを飼う住人の自宅近辺に汚染された毒入り肉片がばらまかれるという事件が相次いで発生し、地元住民らが警戒を呼び掛けている。
フェイスブックでシェアされた情報によれば、モナベールにあるホイットニー・ストリートで、地元男性が家の前で緑色の小さな丸い粒が複数入った肉の切れ端を発見。調べてみると、この緑色の粒はカタツムリやネズミ用の毒餌剤だった。男性は先週子犬を自宅へ連れて来たばかりで、誰かが意図的に子犬を殺害しようとしていると判断。この男性は以前にも自宅庭に肉片が投げ込まれ、ペットが誤って食べてしまったことがあり、近くに住むネコの飼い主の家でも同様のことが起こったという。フェイスブック上では近辺でペットを散歩させるさいに注意を払うよう呼びかけている。ユーザーらは犯人を「動物を拷問して殺すことで満足感を得るサディスティックなサイコパス」と称し、ペットの飼い主に注意を促すため、地域の周りにポスターを貼るよう協力を求めている。
 

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チアーズ編集部

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